■日本人はカモ 性善説を裏付けるように犯罪が少ない温暖・島国・鎖国・村社会・単一民族・農耕民族---の日本人は 無防備で金持旅行者が多く、犯罪の甘いターゲットになっている。平和な日本の何倍もの危機意識をも つこと。犯罪の手口は平和ボケした日本では考えられないほど多くの手口がある。 ■在留登録 一般的に、同一の外国に3か月間以上滞在するときは、現地の日本大使館・総領事館に届け出て、安 全情報等を得ること。届け出はインターネットでも可。 ■世界は銃所持が当り前 世界のほとんどの国では個人が銃を所持している。日本は銃を持たない数少ない例外国である。決し てこれを忘れないこと。日本はまだまだ性善説で成り立っている防備が甘い社会である。これにどっぷ り浸かっていることを知らない人が大半である。 ところが、世界は自然・環境・気候等が厳しい所が少なくなく、地続きの大陸で、異人種混合社会で、 他の土地への移動は自由で、牧畜業的で、個人が中心の社会で、貧しい国が大半で、どちらかといえば 性悪説で成り立っている社会である。銃等を所持して自己防御なくして生きられない危険国といっても よい。 ここにゆくのだから、しっかり認識すべきである。人間はもともと野性動物の一員である。この原点 に帰り、野性の本能の「防御」「危険予知」等を研ぎすますべきである。忘れると痛〜い結末が待って いる。 ■ニセ警官・軍警察・官吏 ○年々激増中。手口は、ニセの警察手帳を見せて旅券と所持金の提示を要求する。相手の手に渡ったら 最後である。警察手帳を見せない単純なのもいるが、要は”動物的な勘”で相手を見ぬいて、さっさ と逃げること。しつこくて危険なときは「荷物は日本大使館にあるので、館員立会いでなら見せる」 といえばたいていは退散する。状況にもよるが「貴方の氏名は、所属部署は、階級は---」と質問すれ ば言葉をにごして退散することもある。ロシアや中南米が多い。 ○しつこいときは「私は新聞記者だが」「あなたと記念写真をとろう」とカメラを準備すれば、あきら める例あり。 ■交通事故 ○世界では毎日、約4万件の交通事故が発生している。 ○なんといっても細心の注意が必要なことはいうまでもない。事故を起こせば「地球ドライブ」は即終 わりになる。加害者になればときにはリンチをされたり、人生が狂ってしまう。地元民には信号無視、 交通規則不順守、酔っ払い運転が珍しくない。日本より家畜や野性動物に遭遇する機会が圧倒的に増 えるので、早く現地人になりきること。大切な家畜をはねたら村人から報復される恐れがある。 ○私は旅のスタート早々、スペインで酔った車に追突された。右後部と右のスライドドアーが破損した。 警察に届け出たがスペイン語が判らず、結局はうやむやで当てられ損。このときエンジンを支えるバ ーにひびが入り、2か月後にはサハラ砂漠のど真ん中でエンジンが落下して「地球ドライブはこれま で!」、それどころか「ここで死ぬかも?!」という大ピンチに見舞われた。 ○実際の話。ヨーロッパから北アフリカに入ったばかりのドイツ人が、自動車4台で空いた道をヨーロ ッパの感覚が抜けずに飛ばしていた。ある村で、先頭の車は道の脇にいる動かないでじっとしている ロバを確認し、「ロバは車がくるのを知っているんだな」と準ヨーロッパ並の高速で脇をぬけた。と ころが、2台目もこれに追随しようとしたらロバが突然道を横断し始めた。2台目は慌てて急ハンド ルを切り横転。そのため3台目以降も追突・横転等の交通事故を起こし、アフリカ縦断ドライブはこ こで終わってしまった。 ○アルゼンチンの草原には種々の大型家畜・野性動物がたくさんいる。あるとき、空いてる砂利道を飛 ばしていたら、道の近くにいた親馬が急に道を横切った。急ブレーキをかけたが、次は子馬が親馬の 後を追って道を横切った。砂利道はブレーキをかけてもスリップし、急には速度を落とせず「子馬と 完全に衝突!」と一瞬目をつぶって覚悟したら、子馬は間一髪うまく切りぬけてくれた。 ○フランス等では、日本にはない往復3車線の中央レーンは"空いているときのみ追越し・追抜き可"等、 戸惑うことがある。 ○アンデス山脈の高山では空気が薄くて頭がもうろうとなり、判断を誤ることがある。下り道で、直角 に曲がっていると、速度をつけていた車は間に合わず、予想外の展開に判断ができず対岸に激突して しまう。 ○4千m以上の高山では---(昔のクラッチ、ギア―はマニュアル車の場合)、 @ 酸欠で馬力が出ず、エンジンが止まりそうになるからアクセルを踏み込み続ける。 A 下り道では速度が出過ぎるからブレーキを踏む。 B 速度が遅くなるとエンジンが止まりそうになる。 C エンジンの回転数を上げておくためには、ローギアーに落とす。 D アクセルとブレーキを同時に踏むとブレーキやクラッチに悪い。 ということでなかなか難しくアクセル、ブレーキ、クラッチを同時に踏んで調節した。ギア―はオ ートマ車の場合はどうなるのだろうか。 ○山間部等で車が少ないと一見安心だが、細道で谷側の路肩が柔らかくガードレールもない所は危険で ある。特に雨・霧・雪のカーブは見通しがきかず、曲がった途端、対向の大型ロングボデー車は谷側 を避けて道路の中央を安心しきって速度をだして下ってきて、濡れた砂利道で衝突しそうになった。 やむをえず右に急ハンドルを切ったら右岸の岩と接触した。これで右ドアーとボデーの間には隙間が でき、これは旅が終わるまで直せず寒気・暑気・粉塵・雑音・雨水・害虫等の侵入に悩まされた。 ○深夜、キャンプ地近くで急患が発生して患者を病院まで搬送することになった。寝ていたのを突然起 こされたので頭はもうろうとしたままスタートしたため、中央分離帯に乗り上げたり、危機一髪の運 転になったことがある。 ○10月中旬以降の冬場の北極圏は烈風と凍結道で、車が浮き上がって倒されそうになった。 ○交通事故に巻き込まれても、後処理は日本国内と同じだが、安易に謝罪する言葉は気をつけよう。警 察、保険会社、当事者等が裁判等で決着がつくまでは、軽薄な言質は混乱を招く。 ■車上狙い(含、自動車・部品盗) 観光時はどうしても車を一時無人にせざるを得ないが、賊は車が無人になるまで辛抱強く見張って待 ってから行動するので「車が振動すると一定時間ブザーが鳴る防犯器具の取付」等の対策が必要である。 百円ショップでも痴漢対策用があり、これをドアの内側に仕掛けておき、車外には「仕掛けた旨の表示 を隠語でしておけば」少し安心。見張人がいる有料の駐車場も「見張り人が泥棒だったり」するから、 安心はできない。ベネゼエラでは有料駐車場に戻ると、賊が車のドアをこじ開け中だった。都市部はホ テル等の安全な駐車場に預け、徒歩・電車・バス・タクシー等で観光するのが無難。イランではレスト ランで食事中に車の窓ガラスを割られて全財産が盗まれたが、対策が不十分だった。ネパールの寺院で はサンダルを脱いで内部を見学したら、帰りはサンダルがなくなっていたので、裸足で帰らざるを得な かった。 「長い間には必ずやられる」と覚悟して、「盗ませるための手提げ金庫の用意」「頑丈な鍵付格納庫」 等を用意するとよい。安全な日本だけでも毎日千件以上も起きており、海外は桁違いに多い。 ■悪魔の誘惑 日本国内では見知らぬ人にいきなり誘われても、まずは警戒する。外国では、これが一変した。親し げに声をかけてきた人から、ホテルのレストランでご馳走になった。食後、駐車場に戻ると車の窓ガラ スが割られており、車内のカルネ・現金・旅行小切手・寝袋等が盗まれていた。安易に人を信じるな! 非英語圏で英語や日本語が上手で親切な人、異性は特に要注意。日本に行ったことがある等と片言の日 本語で誘惑し、催眠・睡眠薬入りの飲料を飲まされたり、悪行の手は数え切れないほどありトルコ、イ ラン、イタリア、スペイン、イスラム諸国、旧共産圏諸国---は要注意。 ■スリ、窃盗 バッグの外ポケット、ズボンのポケット、上着などには貴重品を入れないこと。混雑した場所で不意 にぶつかられたり、からだに触れられたりしたら要注意。不自然な人が近づいたら毅然とした態度をと る。観光やさがしもの等に夢中になっているとつい防衛本能がおろそかになり、とっさの危機にはまっ たく無防備になって大損害をこうむる。コロンビアでは混雑道で数人組に襲われたが、かろうじてとっ さに大声をだせたので助かった。 危険が一杯な海外は「野性動物に帰り、直感・本能を取り戻せ」(2004年度の旅券紛失約1万件。再 発行に備え、旅券はコピーを2部つくり、1部は携帯し、残りは実家宅等に預けよ。2005年の海外での犯 罪受難者は7,070人で、内80%は窃盗。次は強盗、詐欺の順)。 ■ふりかけ強盗 道路を歩行中、誰かにケチャップ、チョコレート、シャンプー等を身体にかけられ、通行人風の人か ら「○○がかかっているよ」といわれる。あわてて自分で拭いたり、その通行人から拭いてもらってい ると、いつの間にか手荷物が盗まれている。また数人に押さえられて無理やり金品を強奪される。事前 にこのような手口を予想していれば、物は持たない等の事前対策をとれる。だが、このような知識がな いと、とっさの出来事には誰でも呆然として盗られてしまう。骨折等のケガまで負うこともある。 また、いきなり頭から袋をかぶせられて強奪されることもある。観光客が多いところは要注意。 ■置き引き 空港やホテルのロビー等でもバッグは手元におき、離席時は見張りを人に頼むこと。成田空港では添 乗員が出発前に被害に遭った。世界の悪いプロは心にスキができれば必ずつけこんでくる。 ■麻薬 内容不明なものは誰からも受け取らない。麻薬輸送に巻き込まれるかもしれない。税関等で逮捕され てから知らなかったといっても通用しない。マレーシアで逮捕されたオーストラリア人は死刑判決を受 けた。(2005年末現在、麻薬所持で各国の刑務所には入っている日本人は88人) ■強盗 ホテルではルームサービスを装ってくる例もある。不審なときは電話でフロントに確認すること。状 況にもよるが、いかなる場所でも強盗に遭ったら、被害を最小限にするため、抵抗しないこと。ウエス トポーチは必ず強奪されるので、貴重品は入れない習慣にしよう。 私は、万一に際して「旅券とお金の特殊対策」を持っていたが、ここには掲載できない内容なので、 個別の直接相談なら応じるようにしている。 ■睡眠薬強盗 見知らぬ親しげな人からの食べ物や飲み物を不用意に口にし、睡眠薬入りで災難に遭う人がいる。ビ スケットをご馳走になり、眠り薬で眠らされ、すっかり巻き上げられた人がいる。 ■唐辛子スプレー持参 深夜の強盗退治によい。しかし、国境検査で「これは何だ」といわれたときに、逆に強盗と間違われ ぬように。 ■詐欺 トランプ等のいかさま賭博に巻き込まれ、多額の出費を余儀なくされている人がいる。見知らぬ人の うまい話は要注意。世界の両替制度は厳格な官営両替から自由な市場までさまざまである。自由・闇両 替はうまみもあるが、種々のカラクリもある危険な行為。米ドルは1ドル札も100ドル札も同形同色だか ら、官憲の目を盗んで両替すると「警官がきたからお札を元に戻せ」といわれて慌てて現地紙幣を戻し て米ドルを返してもらい、後で調べるとすべて1ドル札に化けていることがある。エクアドルとぺルー の国境は偽札で有名。 ■誘拐、拉致 o世界では毎年数百人の日本人が行方不明になっている。「甘い日本人」は政治的な動機や生活困窮者 等の獲物になりやすい。北朝鮮やコロンビア等では今でも狙っている。警官を装って旅券の提示を求 め、「署までこい」といわて誘拐されたら最後。こういうときは「日本大使・総領事館に電話して警 官の疑惑を解消する」といって電話するのも一方法。 o危険回避三原則は「目立たない」「行動を予知されない」「用心を怠らない」。 ■安全情報 各国に関する外務省安全情報は必ず読むこと。 http://www.anzen.mofa.go.jp/ ■外務省邦人安全課 03−5501−8160 ■国外の日本語非対応パソコンでの外務省安全情報 http://www.mofa.go.jp/index.html の右下にあるアイコン http://www.anzen.mofa.go.jp/img_toko/index.html ■病院での注意 発熱して現地の病院にいったら「医者の勘違い診断」に注意する。必要に応じて血液検査も依頼する とよい。病院は国内外を問わず信用し過ぎるな。開発途上国での輸血は肝炎等の危険が伴うので、でき れば即刻帰国してからにすること。 ■キャンプでの注意 oブッシュキャンプは、通行人等の目に入ると危険なこともあるので、完全に無人の地が良い。トイ レの場所も見当をつけておくこと。 o一般的に危険なのは、背中が一部赤い毒グモの背赤ゴケグモ(レッド・バック・スパイダー)、毒 グモのホワイト・テール・スパイダー、海蛇、青い斑点がある毒ダコのブルー・スポッテッド・オ クトパス、カサゴのような毒魚のストーン・フィッシュ、サメ、電気クラゲ、ウニ、サンゴ、トゲ のある草等。湿潤地は毒蛇が多い。 oときどき自然発火によるブッシュファイアーに遭遇する。ほとんどは煙をくすぶらせているだけだ が、風向きによっては危険なので、ブッシュキャンプで就寝中は注意が必要である。