■高温多湿(熱帯の低地、温帯の真夏等) ○バングラデッシュ等では車内のあらゆる所にカビが生えた。対策は早めに逃げ出すしかないか。 ○ウチワ、ゴザは効果的。バポナのような嫌虫・殺虫剤を車内に置くと効果がある。カヤは蚊対策に不 可欠。できれば頻繁に川池等で泳ぐか給油所等でシャワーを浴び、常に身体を清潔に保ち、蒸される 時間を少なくする。熱帯地方の民族衣装に見られるスカート式はよい。それでもインキン、水虫、ア セモ等の薬は必要である。走行中はエアコンでよいが、エンジン停止中は車のバッテリーで稼動する 超小型扇風機が効果的。 ○食料、水、フイルム、薬等は変質する。アマゾン・ジャングル等の高温高湿地帯に長くいるとカメラ のレンズも腐食する。食料と食事は缶詰、油で揚げた物、新鮮な物、地元民が食べる物がよい。フイ ルムやデジカメの記録媒体は早目に郵送し、カメラや薬は除湿剤を入れた密封箱・袋にする。害虫や 雑菌に犯されやすいので、水の殺菌剤、防虫スプレー、下痢止め薬等が必要である。 ○例:エクアドルの海岸地帯は蒸し暑く、アンデス高原は寒く乾燥しており、できれば、早く脱出する。 ■高温乾燥(サハラ砂漠等) ○唇がひび割れするので、リップクリームを塗る。乾燥しきった竹の釣り竿でさえひび割れた。 ○サングラスと目薬は不可欠。むやみに肌を露出しない。 ○水は多めに積む。生ぬるい水を飲むと喉が乾いてきりがなくなるので、夜間にポリタンクで冷えた水 を朝はポットに入れておくと、冷たい水は少量で渇きをいやせる。渋いお茶がよい。 ○ホコリはあらゆる所から入ってくる。あらかじめ食料、炊事具、寝具、雑貨、ダッシュボード等を防 護するように袋に入れたり、シーツでカバーしたり工夫する。1日のドライブが終わったら、必ずエ ンジン室も清掃する。 ○サハラ砂漠の砂嵐は、ただじっと窓を閉じて動かないで通過するのを待つのみ。車内は猛烈な暑さに なるので数センチは開けるが、大量のほこりにまみれるよりはいい。 ○巨大な竜巻は遠くで何本も見ることがある。これに遭遇したら、砂嵐同様に窓を閉めて動かないでい る他ないだろう。 ■寒さ(温帯の冬季、高山、寒帯等) ○車中の物・壁・天井等は凍結する。口の周囲も霜が発生する。ガス・灯油暖房等を使うときは、換気 のため窓を少し開ける。例え寒気が入りこんできても、必ず開けること。さもないと、「一酸化炭素 中毒(臭わない)」になるか、酸欠で呼吸が苦しくなり、頭はもうろうとして眠くなり、やがてガス の炎は消え、動けなくなって死にいたる。酸欠になってダメージを受けた脳細胞は、元に戻らない。 初めての厳冬をパリのコンコルド広場ですごしたときは、危うく死ぬところだった。 ○ディーゼル車はエンジンがかかりにくいので、トルコ東部では、トラック等は一晩中エンジンの下で 火をたいてエンジンを凍結させないようにしていた、と聞いた。 ○スノータイヤ、スパイクタイヤ、タイヤチェーンは不可欠。 ○凍ったドアーを強い力で開けるとドアー周囲のシールゴムが破損するので、シールゴムはお湯で温め て解凍してから開ける。 ○寒い夜はワイパーがガラスに密着してしまうので、夜間はワイパーを立ててガラスから離しておく。 ○寒さはあらゆるイタズラをするので、できれば計画段階から避ける。 ■強風 ○サハラ砂漠の昼、アルゼンチンの平原、夏以外の北極圏等は強風が吹く。小石等も飛んでくる。バン タイプは風を受けやすく、高速では走れず燃費が悪くなったり、ハンドルがどちらかにとられる。忍 の一時である。 ○極寒地は強風が吹くことが多いので、飛んできた小石等がヘッドライトやフロントガラスを割る恐れ がある。どちらも防護金網を設置するか、ドライブ時期や時間帯を選ぶ。 ○車を駐停車するときはなるべく風が弱い所に止め、開閉するドアー側が風下になるようにする。 ○車の屋根上にルーフキャリアを載せたり、その上に荷物を積むと風の抵抗が増し、燃費が落ちる。強 風になると低速でしか走れない。 ■高山(寒気、酸欠等) ○海抜3〜4千mから酸素が平地の3分の2以下になって、耳がおかしくなり頭痛もし、一寸した行動 でも息が苦しくなる。判断力がにぶくなる。寒い。トイレで道路脇の藪へ10m位下り、車に戻った ときはつい足早に駆け上がったら息が切れ、大変息苦しかった。 ○世界最高地の首都ボリビアのラパスで、深夜コソ泥がきてバックミラーを取り外そうとしていたので、 起きて車外にでて、急いで追いかけたら酸欠で心臓がパンクしそうになった。コソ泥は私を馬鹿にし ながら笑顔でゆうゆうと逃げていた。その後熟睡して翌朝目覚めたら、結局バックミラーは盗まれて いた。熟睡中の泥棒作業には気づかなかった。警察にいったら「泥棒市場を教えてやるから自分で捜 しな」と相手にもしてくれず。低地生れ、低地育ちの外国人は彼らのカモなのである。 ○水やガソリンのポリタンクが膨れる。栓をゆるめ、内部の気圧を外部と同じように調節する。多分タ イヤも膨張しているのだろう。 ○酸素が少ないからエンジンの調子が狂う。エンジン始動時はかかりが悪くなるので、日中のトイレは アクセルペダルに水タンクを置き、エンジンを中速度に回転したまますませた。夜のキャンプは、翌 朝のスムースなエンジンスタートを考え、下り坂の手前にした。エンジンがかからないときは、ギア ーを入れたままスターターで車を前進させ、車を坂下に転がしたらすぐギアーをニュートラルに入れ、 車の速度がついたらギアーを入れてエンジンを強制回転させて起動させた。 ○ご飯をたいても芯が残る。 ○南米のぺルーのクスコでは、乾燥させたコカの葉をそのまま1〜2枚噛む「コカ茶」が売っていて、 これは高山病、空腹、疲労に効く。高山病の薬はリマでも売っている。 ○夜はよく眠れた。 ○雷鳴は、眼下の谷あいを白く埋めた雲の下で鳴っているから、不思議な感動を覚えた。 ■雨 ○雨中の車外トイレは傘が必要だが、豪雨になると車内でやるしかない。小便はボトルにし、新聞紙等 を重ねた上に大便をしたら、これを丸めて紙袋等に入れ、機会を見て地中に穴を掘って埋める。しば らくは車内が臭〜い。 ○強烈な雨音は睡眠妨害である。車の屋根にルーフキャリアを載せ、この底に布製キャンバスを張った ら軽減できた。 ○車内の湿度は高くなり、炊事をするとさらに湿気で車内がベタベタになる。こういうときは極力炊事 をしないで缶詰や果物等でのりきる。 ○雨のときは泥棒に襲われる危険が少なくなる、と思うとぐっすり眠れた。 ■害虫等 ○蚊(中米のニカラグア湖周辺等)、ハエ(オーストラリア、インド、ネパールの田舎等)、ツェツェ バエ(アフリカの自然動物保護区等)等は信じられないほど多くいる地域がある。カヤ、防虫スプレ ー、はえ叩き、養蜂家が顔を覆うようなネット、単に虫忌避剤が染み込んだ防虫ネット、バポナのよ うな嫌虫・防虫剤は必携である。 フマキラー社の「どこでもベープbPネオ」は腕時計式で単4電池2個で120時間蚊を寄せ付けず。 定価1,100円。予備はベープマット325円、電池200円でさらに120時間OKで、不要のときは電源を切 れば長持ちする。ただし、蚊より大きいハエ等の害虫には効果なし。 (資)野田屋電機社(香川県高松市古新町1-6、電話087-851-4587)の電撃ラケットはバドミントン のラケットのような形状で、単3電池2本で1,500ボルトを発生させ、このネットですくうように蚊や ゴキブリ等に接触させれば瞬時に殺せる。1,029円。ただし、蚊より大きいハエ等の害虫には効果が限 られる。 ○ゴキブリ、毒ぐも、蛇、サソリ、ねずみ等はいろいろな方法で車内に入ってくる。房ごとのバナナ、 土産品、野菜、その他の物を車内に入れるときは、よく見る。環境が悪い所では、車のドアーや窓を 長時間解放しない。履物を車外に長時間置かない。もし置いたときは、中をよく調べてから履く。た った1度の油断で、大きな痛手をこうむることがある。 ○地球ドライブでの頭痛の種は、毒蛇、毒グモ、毒サソリ、毒ガ、毒魚、毒ダコ、毒樹木等の危険に遭 遇することである。それゆえ冒険であり、間違えば必ず手痛い犠牲を強いられるので、野生動物のよ うに、常に神経をとぎすまして、軽率な行動は避けること。 ■ほこり ○車内外は常にほこりにまみれる。食料、炊事具、寝具、雑貨、ダッシュボード等の対策はできるが全 体は無理なので、機会をつくっては掃除が必要。エンジンルームは毎日のドライブ後、必ずこまめに 掃除する。 ○サハラ砂漠やオーストラリアの赤土道は、エンジンオイルやエアーフィルターの交換をこまめにやら ないとエンジンのピストンリングやカムシャフト等がすぐ磨耗する。両大陸の非舗装道を3か月以上 も走れば、エンジンのオーバーホールか交換が避けられないだろう。 ■騒音 ○運転中は騒音がひどい。その分、エンジンを止めたときの静寂さはすばらしい。 ○うるさい雨音はルーフキャリアを付け、底に布キャンバスを張れば効果的である。 ○地球ドライブが長くなると人間も野生化して、車内で就寝中も車外の一寸した音が「安全な音?!」 「危険な音?!」と耳を研ぎすませて警戒するようになる。 ■泥棒---(21)安全対策参照方 ○泥棒は星の数ほどいて、24時間スキをねらってあらゆる手を使ってくる。車では必ず泥棒に入られ ると思ったほうがよい。私は、どうせ泥棒に入られるなら貴重品は工具で開けないと判らない所に隠 し、あたかも貴重品が入っているかのように見せかけた「わざと盗ませるための手提げ金庫」を用意 し、細いチェーンで車体にしばって対応した。イランでは泥棒がこれを盗み見事に成功した。 ○参考までに、1,000ドル以上の旅行小切手の再発行は、大変手間がかかる。特に開発途上国では、 その間の再発行交渉と極貧生活の大苦労が待っているので、注意が必要である。銀行の支店も限りが あるので、複数の銀行の旅行小切手を携帯するとよい。隠し場所も複数にすること。 ○車を置いて観光するときは、車上荒しが目を光らせている。完璧な方法はないが、「泥棒が車のドア ーを開けると振動等で音が鳴る警報器を車の内外に設置する」「泥棒が車内で物色中に、車内に張ら れた半透明な釣り糸を引っ掛けるとスイッチが入り、サイレンが鳴る仕組み」等が考えられる。 ○夜、車内で寝ていたら、小石が車に当たった。「舗装された駐車場だし---不可解?!」と思って様子 をうかがっていたら、また小石が飛んできた。不思議に思って窓から外を確認すると、泥棒が「車に 人がいるか」確認するために、小石を投げていたことが判明した。賊を追いかけたら逃げたが、その 後は宿泊場所を移動した。(ローマ) ○寺院等は履物を脱いで入る所があるが、見物後、履物が盗まれていた(ネパール)。履物を脱ぐとき は携帯することにした。 ■詐欺対策---(21)安全対策参照方 ○人は、いろいろな詐欺経験を自ら体験しないと、学習と対策ができにくい。しかも詐欺手法は無限に ある。とかく、過剰な欲や甘い判断は裏目にでて甘い罠にはまりやすく、豊かで無菌無防備な社会で 育まれた純粋培養的な人は、いいカモである。 一方、全世界の詐欺師は、生活苦等からあらゆる妙手を考えだし、24時間カモを待っている。こ の餌食にならないように、日頃からこの種の情報を集め、警戒する習慣をつけておくと、悲劇に遭う 確率が少なくなる。闇両替時は特に多い。米ドル紙幣は、1〜100ドルまで、すべて同色・同寸法 なので、手品師のような両替商に遭遇すると、ごまかされる。また、両替についての実態は、開発途 上国では必ずしも規則どおりではなく、多くの両替屋が公然または非公然に行っている国が多い。こ れらの両替屋は、たいてい公定より有利なレートで旅行者に接近してしてくるから、規則はよくわか らないまま緊張して両替する。この緊張を悪用されるときがある。両替中に、「警察がきた」等とい われると、受け取った現地国のお金を数える時間がなく、その場を急いで去って、後で数えると足り ないのである(モスクワ)。今度は、受け取った中身を納得して両替した直後、「警察がきた。やば いから元に戻そう」といってドル紙幣を返してくれる。こちらも夢中で現地国の金を返す。状況が落 ち着いた後、返金された米ドル札を見ると20ドル札が1ドル札にすりかえられていた(イスタンブ ール)。 ○「日本に留学したことがある」等といって、日本語がよく話せて、日本を多少知っていて、初対面に もかかわらず、やたら親切で、というのを信用しすぎたため、被害に遭ったという例は多い(タイ、 トルコ、イラン)。人の善悪を見ぬく力をつけるのは簡単ではないが、その人の言動等から事前に察 知して危険を回避しよう。逆に、純粋に親切な人の好意には甘え、友好の好機を逃さないようにした いものである。悪い人は単独で接してくる例が圧倒的に多く、家族を入れた親切の申し入れは間違い が少ない。 ○初対面にもかかわらず、やたら親切で、無料で宿まで提供してくれたら、ホモだった(ロンドン)。 独身男性が単独でアプローチしてきたら、一応疑おう。男女交際が極端に制限されているアラブ圏 は多い。 ■交通事故---(21)安全対策参照方 ○地図を見ながら、その国の交通規則に従って、慣れない外国の運転は神経を遣う。勝手がわからず、 どんなに注意しても勘違いはある。すべての周到な準備も、一瞬の油断でご破算になることもある。 しかし、多量の荷物を積んでいるから速度は抑えて、慎重に運転すれば、交通事故の危険は少なく なる。外国での運転は、基本的には国内運転の延長という考えでよいし、日頃から安全運転に心がけ ていれば同じである。急に超車社会になって危険な日本より、むしろ車社会先進国や車が少ない開発 途上国の方が安全である。日本に帰国して運転すると、徒歩から急に超車社会になったさまざまな歪 みを感じた。 ○道探しで戸惑っているときは危険だが、迷ったらまず車を道端に止めて、落ち着いて地図等を再確認 し、走行帯でうろうろしない。道がわからないときは、とにかく人に聞きまくる習慣をつけた方がよ い。独自の勘だけでは失敗する。最低3人位にきくと安心できる。1人では勘違いやウソがあり、2 人以上の答えが同一なら安心できる。これは習慣になり、よい結果をもたらしてくれた。 ○ヨーロッパのように対人交通保険が強制なら必ず加入しなければならない。アメリカのように加入が 自由なら個人の考え方次第だが、命代が高額な国は加入した方が無難だろう。ただ、外国人旅行者は 危険で保険会社が損をする、というので加入できなかった。(シカゴ)自身の傷害保険や車の自損保 険は、外国でも有効なものでなければ意味がなく、加入時に確認すべきである。 ○交通事故に巻き込まれても、後処理は日本国内と同じだが、安易に謝罪する言葉は気をつけよう。警 察、保険会社、当事者等が裁判等で決着がつくまでは、軽薄な言質は混乱を招く。 ■病気 ○生活は、環境が千変万化し、不規則になり、かぎられた生活条件や予算等で完全に不衛生になるから 健康管理はしっかり行う必要がある。運転は安眠によいが、不衛生な水等による腹痛・下痢・肝炎、 メスのハマダラ蚊によるマラリア、寒暑によるカゼ、ハードドライブによる痔、ごみが目に入る、歯 痛、虫刺され等、危険は少なくない。 ○ダニ、南京虫、蚊は世界中にいる。安宿で身体中を食われた人は多い。 ○ロシアのシベリアの藪にはダニがいて、運が悪ければ脳炎になるので、トイレは十分気をつけること。 ○ヒルはジャングルにいるので、暑くても肌を露出しないこと。 ○安宿等で現地人と接触するとエイズの危険があるので、しっかり防御すべきである。 ○アフリカのほとんどの川・湖・沼は、ビルハルツという原虫がおり、皮膚から体内に入って病気を もたらすので、泳げない。マラウイ湖は泳げる、飲める、というので泳いだが、問題なかった。 ○なるべく栄養価のあるものを、バランスよくとり、不足分は総合栄養剤等で補う。干魚やオリーブ等 の塩漬等は酷暑地でも保存が効くし安いし栄養価もあるので愛用した。 ○疾病保険は個人の考え方次第だが、治療代が高額な国は加入した方が無難だろう。ただ、外国でも有 効なものでなければ意味がなく、加入時に確認すべきである。医療費は無料という国もあるが、外国 人への適用はその国の規則次第である。 ■けが ○切り傷、打撲、捻挫、やけど等は必ず起こりうる。救急箱程度は持参し、自分で手当てできる程度の 知識は必要である。日頃から落ち着いた行動をするようにし、手袋や長靴等を使用する習慣をつける。 車が泥道や砂に埋まる等、危機を感じると危機脱出作業に熱中し、ついけがをしがちである。スーダ ンでは川に車が埋まり、泥水から脱出作業中に足裏にとげが刺さった。破傷風の心配があったが自分 では痛くてそのとげを抜けず、国境警備隊に頼んで簡易手術して抜いてもらった。旅が長くなればさ まざまな経験をし、多少のことでは慌てなくなるが、痛い思いをする前に、多少神経質になる位の注 意深さが必要である。 ○荒野でのトイレは、石の上ですべったり(トルコ)、藪のトゲでお尻を刺したり(オーストラリア)、 枯れ川の岸辺の茂みに潜む毒蛇やサソリに注意したり(ナミビア)、けっこう神経を遣う。 ■けんか ○単独は問題ないが、複数はほとんどがけんかをする。理由はたくさんある。「予算が少く、狭い車内 で抑制された生活」「お金の使い方」「食事の好み」「興味対象が違う」「異性問題」「不衛生に対 する忍耐の限度が違う」「役割を果たさない。ずるい」「起床から就寝までのリズムの違い」「神経 質と大雑把な性格差」「人生観や意見の相違」「問題・危機に対する取組み方の違い」「指揮命令系 統の甘さ」「いい加減な決定の仕方」「失敗時の責任のなすりあい」「いびき、歯ぎしり、寝癖、酒 癖」等で、けんかしないで長期間は難しい。 ○想定できるトラブルの原因は、すべて事前に話し合ってルールを決めておく。けんかも、ある程度 のルールを決めておけば、破局を回避できる一方法である。俗にいう「人間ができている人」と組 むと、楽である。 ○異性と長期間旅行しようと出発したが、途中で諦めたり、単独になったり、離婚した例は多い。長続 きしていた例は「仲が良い」「結婚歴が長い」「目的がはっきりしている」「役割分担や主従関係が はっきりしている」「どちらも人ができている」「資金、健康、車の問題、旅行期間・範囲---すべ てに余裕があり問題が少ない」等である。 ■悪徳警官・税関・軍人等対策 ○遭遇したら、基本的には毅然とした態度で応対する。弱腰はつけ込まれる。後は強盗や誘拐等の最悪 のケースから単なる物乞いまでのケース次第で、臨機応変に対応する。基本的には何一つ与えるべき ではないが、ポルノ本を見せてごまかしたり、「今日は○○新聞社や××テレビ局にゆく予定」等と 話題を変えてためらわせたり、煙草や多少の金品手渡して一目散に逃げることもやむをえない。 ○あらかじめ、各国の日本大使館等の電話番号・住所一覧表を持参し、彼らから理不尽な金品の要求や 署までの連行要求があったときは、「これに電話して説明してくれ」といえば、難から逃れられるこ とがある。 ○「俺は新聞記者だぞ。それでもよいか」というのも効果がある。中南米では「私は牧師です」「私は 先生です」「私は大学の教授です」というと、効果があった。 ○中東、アラブ諸国、中央アジアのイスラム圏ではイスラム教への尊厳を表す。これに基づきイスラム 教のメッカのカーバ神殿の写真を見せ、これから巡礼にゆく途中だ、というと解放してくれることあ り。現地の言葉は知らなくとも「アッラ−アクバル(神は偉大なり)」という言葉は魔法の言葉で、 これを叫び続ければ効果あり。 ■その他 ○女性の生理ナプキンは開発途上国や僻地旅行時では入手できないことがあり、洗って再使用できる布 製がよい。それに使い捨てはかさばり、荷物になる。 ○毒蛇、毒グモ、毒魚、毒サソリ、毒草---の危険回避策と応急手当方法をマスターしておくこと。 ○一般的に写真撮影禁止場所・場面は軍事施設、軍人、デモ隊、イスラム教徒の女性、北中南米の無垢 な先住民(まだ伝統等を厳格に守っているインディヘナ、アメリカインディアン等)、貧困状況のよ うな人間のプライドを傷つける状況。カメラ撮影は魂をぬかれるという住民もいる。人身売買や臓器 売買多発地区では大変危険である。中米では、無理解な日本人旅行者が無垢な先住民を撮影して殺さ れた例がある。 ○アフリカ大陸とオーストラリア大陸は、かなりの鉄分を含んだ赤土道が多い。できればエンジンの空 気取入口は車高より高くして(シュノーケル型)埃を吸い込まないようにし、除塵フィルターで埃を 除去したい。これをしないとエンジン中に埃が入り、カムシャフトやピストンシリンダー等を磨耗さ せる。大陸走破後はエンジン内部が砂塵で磨耗されて、あらゆる箇所からエンジンオイルが漏れ、燃 費が悪くなり、エンジンのオーバーホールが必要となる。 また、マフラーの排気口も埃を拡散するので、同様に高くしたい。「小川に橋がない」は開発途上 国の常識なので、流水の侵入防止と排気の確保上も欲しい。イラクの米英軍等の軍用車は、エンジン への空気取入口とマフラーの排気口が一対になって、フロントガラス脇にシュノーケルのように立っ ていた。