■ワーキングホリデービザで働ける国

　○英、豪、カナダ、韓国、ドイツ、フランス、ニュージーランド、アイルランド、デンマーク、台湾、
　　の10か国は相互に「限定された期間は働けて、旅ができる」ビザの協定を結んでいる。雇用者が求め
　　る条件を調べ、あらかじめ準備しておけば活用できる。

　○期間は６〜12か月間で、当初６か月間の場合、現地で更に６か月間の延長可。年齢制限は18〜25歳だ
　　が、在日公館の判断で30歳迄も可。フランス、オーストラリアは18〜30歳が原則。ビザ希望者が多い
　　と抽選になる。英国は１年間ＯＫだから語学研修と兼ねると効果的である。

　○２００４年は、外国でこのビザを活用した日本人２万人、日本で活用した外国人５万人。外国でのア
　　ルバイトの賃金は安く、稼ぐなら日本が一番。

　○（財）日本ワーキング・ホリデー協会（電話０３−３３８９−０１８１）。各国にはワーホリの協会
　　等があるので、そこで情報が得られる。

■どこの国で、どんな仕事があるか

　○一般的には、就労可能なビザがなければ働けない。従って、自国で旅行資金を貯めるのが大原則であ
　　る。肉体労働等はどこでも自国に希望者が多く、自国労働者保護の観点から外国人は厳しく制限して
　　いる。

　　　しかし、各国とも自国では不足している特殊・高度な業種・技能は歓迎している。開発途上国も例
　　外ではなく、観光ビザで入国してから就労ビザに切りかえられることもある。ＩＴのソフトプログラ
　　マー、日本食のコック、柔剣道や囲碁将棋の先生、アニメや漫画のプロ等はチャンスがある。先進国
　　は開発途上国より賃金が高いので多くの外国人が狙うが、「身体一つで皿洗い」という時代は去りつ
　　つある。

　○欧米や一部の開発途上国では賃金が比較的高く、万一には旅資金の補充ができる。しかし、一般的に
　　開発途上国は賃金が安く、「全財産を盗まれ---」という非常時にしか有効ではない。ギリシャで1日
　　1米ドルで羊飼いをした、という人がいたが、資金稼ぎには不向きである。

　○特殊なアルバイトは無数にあり、体験という報酬も考慮すればチャレンジする価値がある。漫画家、
　　アニメ作家、アラスカのカニ捕り船、フランスの外人部隊、イラクの警備会社、オーストラリアの家
　　屋の塗装、アマゾン河の金採取、遠洋漁業の船員---。

■求職時の提案条件

　○私がいつも提示したのは、「仕事の成果をだす」「労働時間は無制限に提供する」「賃金は相手に一
　　任する」「仕事仲間と上手につきあう」「関連組合には極力迷惑をかけない」である。これが効き、
　　英国、米国、ブラジル、南ア、ドイツで効率良く稼げた。約束にも無い退職ボーナスまで毎度もらえ
　　た。いかに経営者の利益になるか、がポイントである。

■稼ぐなら日本

　　かつては不法に、ニューヨーク等で皿洗い等をして資金を稼ぎ、世界一周できた。しかし、時代は変
　わった。不法就労ではなく安心して高賃金の日本が資金稼ぎには最もよく、航空賃も格安になったので
　一時帰国してでも外国は避けたほうが賢明である。

■最少の費用で最高の貯金法

　○開発途上国で保存が効き安い食料を大量に仕入れ、食費は極力抑える。米、スパゲッティ、調味料、
　　塩漬・乾燥魚、オリーブ漬け、缶詰、即席麺、小麦粉、食用油---。

　○宿泊地は無料の友人・知人宅の敷地内、友人・知人の知り合いの人の所有地内、会社の社有地、給油
　　所や中古車販売店等の隅---。

■老後の年金受給

　○日本政府と外国の年金協定により、海外で働いて（就業ビザの有無は無関係）年金に加入していれば、
　　各国の最低加入期間等の規定に従って受給できる。米国は加入期間が１年６か月以上、ドイツ、フラ
　　ンス、ベルギー、カナダは加入期間を問わないので就業期間が短くても申請・受給できる。

　○手続きは居住地の社会保険事務所で「ソーシャル・セキュリティ・ナンバー（米国の場合）」のナン
　　バー等を記入して申請すると後日、各国の年金取扱機関から申請用紙が送られてくるので、年金受給
　　銀行・口座・名義等を記入して申請すれば自動的に定期振込がある。

　○年金受給には年金証書が必要なので、就業時には年金加入が可能なしっかりした企業等をえらび、年
　　金証書の受取・保管等を確実にすること。