地球ドライブのノウハウ(44-2)中央アジア(旧ソ連のロシア以外。タ〜リ)


■タジキスタン。

 ○人口680万人。

 ○主言語はタジク語、ロシア語。

 ○ビザ要。

 ○カルネ不要。

 ○首都はドウシャンベ。

 ○通貨はソモニ。

 ○世界の屋根パミール高原が領土の90%を占める国。

 ○旧ソ連の国では最も貧しい国。でも親切。

 ○政争

  ・ロシア支援の旧共産党系政府、イスラム原理主義系、出身氏族系、タジク人(アフガニスタン北部
   を基地としているタジク人と外国からの支援がある)らの国内政争が盛ん。

  ・キルギスと複雑に入り組む国境と飛び地の領有地争い。イスファラ渓谷の北部国境線の争い。他に
   アフガニスタン、ウズベキスタン、中国との国境争い。ロシア主導の平和維持軍が国中に展開し、
   ロシア国境警備隊はタジクキスタンとアフガニスタン国境に沿って配置されている。  

 ○秋野豊政務官

   1998年7月、彼と3人の国連タジキスタン監視団(UNMOT)は、首都ドゥシャンベ東方の町ラビジャー
  ル近くでテロリストにより虐殺された。99年3月16日、タジキスタン最高裁判所は容疑者3名に対して
  死刑判決を下した。

 ○世界遺産は登録なし。

 ○治安は渡航延期勧めC〜十分注意A2007.12。

 ○日本大使館
  
   EMBASSY OF JAPAN, DUSHANBE OFFICE、80A Khlopkozavodskaya
   St.Dushanbe, Republic of Tajikistan
     電話: (992) 372-213970(兼FAX用), (992) 372-213724

■トルクメニスタン。

 ○人口490万人。

 ○主言語はトルクメン語、ロシア語。

 ○ビザ

   5日間のトランジットビザは国境で取得可で招聘(しょうへい)状は不要。ただし、通関・入国手
  続きは自分でやらねばならない。6日以上は招聘(しょうへい)状とビザが必要。ただし、次の国の
  ビザを持っていないと難癖をつけられることあり。6日以上の観光ビザは、ウズベキスタンの首都タ
  シケントのハドラ・ホテルの旅行社YASUMINA TOURでインビテーション・レターが取れるが85ドルで
  2週間かかる。日本では「中央アジアビザセンター」でもとれる。

 ○カルネ不要。

 ○首都はアシュガバット。

 ○通貨はマナトで闇両替あり。小額の米ドルが有効。

 ○地勢

   ほとんどがカラクム砂漠。パミール高原を源とするアムダリア川はアラル海へ注ぐ。アムダリア川
  から引いた灌漑用のカラクム運河は、首都のアシュガバットへ。人口もそれに沿って集中している。

 ○良い面

  ・埋蔵量世界4位の原油や天然ガス等の天然資源が豊富で、国民は電気・ガス・水道等が無料でガソ
   リンも月120リッター無料でもらえる。GDPは年20%の伸び。1995.12 国連総会で「永世中立国」と
   して承認される。 CISには加盟しているが軍事同盟には不参加。悪徳役人なし。

  ・生活費は1日5ドル位で安い。トルコ人風で親日家が多い。安食堂では飯代を「いらない」といって
   おごってくれる所多し。

 ○悪い面

  ・独裁国。インターネット禁止。首都以外の病院廃止。年金廃止。交通検問は20〜30km毎にある。
   あだ名は中央アジアの北朝鮮。

    だが、2006.12.21に大統領は急死。次の独裁者は国民に衛星放送を自由にしたが・・・?!

  ・強制交通保険(+走行距離税)は高く走行予定距離×0.04ドル。さらに2週間滞在で20ドル。すべて
   入国時に現金払い。申請した走行ルート以外の走行は不可なので自由な旅行ができない。ガソリン
   はリッター3円位だが、外人は実質数十円になる。

  ・2週間で1,000kmドライブの場合、燃費はリッター7kmとすると143リットル→430円。保険料は
    40ドルで4,800円(1ドル120円なら)、滞在費20ドルで2,400円、合計7,630円。ガソリン代はリッ
    ター53円の勘定になる。やり方が狡(こす)い。

  ・都市の外人向け宿代1,200円、田舎は120円位。外人の宿代は外貨払いのみで高い。

 ○カスピ海岸のクラスノヴォーツク港からアゼルバイジャンの首都バクーへのフェリー代は、人車とも
  各45ドル位。

 ○世界遺産

  ・国立歴史文化公園“古代メルフ”(文化)。
  ・クフナ=ウルゲンチ(文化)。
  ・ニサのパルティア人城砦群(文化)。 

 ○治安は渡航是非検討B〜十分注意A2007.12。アフガニスタンとの国境は紛争中につき要注意。

 ○日本大使館

   Embassy of Japan、Trading Centre “Paytagt”, Street 1945,
   building 60 Ashgabat,Turkmenistan 744000
     電話: (7-501) 4910-746, (993-12) 477081, 477082

■ベラルーシ。

 ○人口975万人。

 ○主言語はベラルーシ語、ロシア語。

 ○ビザ要。

 ○カルネ不要。

 ○首都はミンスク。

 ○通貨はルーブル。

 ○独裁国。

 ○地勢

   国土の大部分は丘、森、湖が多く、東部は冷涼で大陸性気候の特徴がみられ、南部は広大な湿地帯
  で人口は少ない。最高点のジェルジンスカヤ山でも345m。気候は穏やかで、厳寒や猛暑などはなし。

 ○チェルノブイリ原発事故の最大被爆国

   1986年にはウクライナ共和国のチェルノブイリ原発事故で最大の被害を受けた。いまでも中部以南
  は被爆の危険があり、立入禁止区域と規制区域がある。

 ○世界遺産

  ・ベラヴェシュスカヤ・プーシャ/ビャウォヴィエジャの森(自然)。
  ・ミール地方の城と関連建物群(文化)。
  ・ネスヴィシェにあるラジヴィル家の建築・住宅・文化的遺産群(文化)。
  ・シュトルーヴェの測地弧(文化)。 

 ○治安は十分注意A2007.12。

 ○日本大使館

   Embassy of Japan、Pr. Pobediteley 23/1, 8th floor, 220004, Minsk,
   Republic of Belarus 電話: (375-17) 2036233、2034481

■モルドバ(旧モルダビア)。

 ○人口約420万人。

 ○主言語はモルドバ語=ルーマニア語、ロシア語。

 ○ビザは国境で入手可。しかし、事前に隣接国等の国外で取得したほうが無難。

 ○カルネ不要。

 ○首都はロシア語ではキシニョフ(モルドバ語=ルーマニア語ではキシナウ)。

 ○通貨はレイ。闇両替屋なし。

 ○交通保険不要。

 ○国土の大半は標高200m以下の丘や草原で農業国。ロシア語勉強なら滞在費が安いこの国がお徳。

 ○結婚詐欺

   旧ソ連崩壊後は貧しく、美人女性が日本に婿捜しにきている。ただし、インターネットを利用した
  詐欺被害(特に、日本人男性がロシア人女性に騙されるケース)が増加している。この詐欺被害は、
  インターネットの各種出会い系サイトを通じて知り合った人物から、日本への渡航費用やビザ取得に
  必要だと数千ドルの送金を要求される。だが、先方が現金を得た後は、様々な理由をつけて日本に渡
  航せず、そのまま音信不通となる。

 ○ドニエストル問題

  ・ドニエストル川の東岸地域は「トランス・ドニエストル」または「沿ドニエストル共和国」ともい
   う。1992年、ロシア系住民の分離独立派はロシア軍の支援を受け、この地域を事実上、独立国に近
   い感じで運営している。モルドバと「トランス・ドニエストル」の間には国境があって、トランス・
   ドニエストルには独自の軍隊もある。旧ソ連時代は兵器生産地帯で、現在も核兵器を含む大量の兵
   器が生産・貯蔵・密売されているという。住民全員がスターリンの信奉者といわれている。ソ連崩
   壊の傷跡は深い。

  ・ウクライナとの出入りは、紛争が多いドニエストル川の東岸地域を避けること。

 ○世界遺産

  ・シュトルーヴェの測地弧(文化) 。

 ○治安は十分注意A2007.12。上記の政治情勢参考。

 ○日本大使館はなく、ウクライナの日本大使館が兼務。

■ラトビア。

 ○人口232万人。風貌はドイツ系風。

 ○主言語はラトビア語、ロシア語、ドイツ語、英語。

 ○ビザは90日不要。

 ○カルネ不要。

 ○首都はリガ。

 ○通貨はユーロ、ラッツ。

 ○旅行シーズンは5〜9月。6〜7月は白夜。

 ○市場

   リガ駅裏には元飛行船のツェッペリン製造用の巨大なドームが4つあり、ヨーロッパ最大の市場に
  なっている。

 ○ロシアとの関係

   悪く、ここでロシアのビザは取りにくい。

 ○占領博物館

   ロシアが占領した時代がわかる。シベリアの強制収容所では日本人がラトビア人のためにメガネケー
    ス等をつくった証拠品が陳列されている。

 ○薬草博物館

   ラウナ市にあり、薬草カフェ店もある。  

 ○世界遺産

  ・リガ歴史地区(文化)。
  ・シュトルーヴェの測地弧(文化)。 

 ○治安は一般的注意@2007.12。

 ○日本大使館

   Embassy of Japan、Kr. Valdemara iela 21, Riga LV 1010, 
   Republic of Latvia 電話: (371) 781-2001, 781-2002

■リトアニア。

 ○人口340万人。風貌はポーランド系風。

 ○主言語はリトアニア語、ロシア語。

 ○観光ビザは90日不要。

 ○カルネ不要。

 ○首都はビリニュス。ロシアのビザが比較的簡単に取得できる。

 ○通貨はユーロ、リタス。

 ○旅行シーズンは5〜9月。6〜7月は白夜。

 ○地勢

   深い太古の森林、4,000の湖、海岸沿いの砂丘と自然に恵まれた国。海岸地方で産する琥珀は有名。

 ○杉原千畝(ちうね)副領事と妻(幸子さん)のユダヤ人救出。

   ナチス・ドイツに迫害されていたポーランドのユダヤ人達は、中立国と思われていたリトアニアに
  移住していたが、1940.7.15リトアニアに親ソ政権が樹立され、ソ連がリトアニアを併合することが
  確実となった。リトアニアがソ連邦下になれば、ユダヤ人達は国外に出る自由を奪われてしまう。ヒ
  ットラーの戦略から、いずれは独ソ戦が始まることも視野にいれると、ソ連に併合される前にリトア
  ニアを脱出しなければ逃亡の経路は断たれ、アウシュビッツ等の強制収容所で処刑されるとユダヤ人
  達は予感していた。もはや一刻を争う状態だった。

   日本に行きたくてもビザは発給されなかった。しかし、日本を通過するビザは、その先の受入国の
  ビザと一定の資金があれば取れた。ソ連併合に備え、各国の領事館が撤退する中、当時の首都カウナ
  スの各国領事の中で唯一ユダヤ人達に同情的だったのはオランダの名誉領事ヤン・ツバルテンディク
  だった。彼はカリブ海に浮かぶオランダの植民地キュラソー島なら、入国審査機関や税関もないので
  入国できるということに目をつけ、キュラソー島行きのビザの発給を決断した。キュラソー島は岩だ
  らけの小島で、ユダヤ人達の窮状を救うために考えられた方便であったが、もはやこれしか方法がな
  いと思った。キュラソー島のビザを持ってユダヤ人達が日本領事館に押しかけたのは、1940.7.18午前
  6時であった。 
  
   8.26、日本の外務省により日本領事館は閉鎖。日独伊三国同盟の約束から日本政府は反ドイツ政策
  を採るわけにいかず、ユダヤ人達の国外脱出に協力できなかった。杉原夫妻はその後の9.5まで、禁
  止されていたユダヤ人達へのトランジットビザ発給を続けた。やがて官舎を出され、ベルリンの転居
  先への移動中のメトロポールホテルでも、カウナス駅でも、列車が出る寸前まで立ったままぎりぎり
  まで発行し続けた。その数は6,000〜8,000人。(2,139人ともいわれている)

   戦後、おかげで助かったユダヤ人達には後の在日イスラエル大使館参事官2人や宗教大臣等がいて、
  1985年、イスラエル政府からユダヤ人達の命を救出した功績で「ヤド・バシェム賞」(諸国民の中の
  正義の人賞)を夫妻が受賞。職を辞してでも「武士道にも優る人道、博愛精神第一」を貫き、国連や
  他の多くの機関・国等から数々の勲章等を妻と一緒に授与された。翌年、静かにその激動の人生の幕
  を下ろした。享年は86歳だった。

   1991年、リトアニアには杉原千畝記念碑が建立され「杉原通り」できた。2000年、カウナスの旧日
  本領事館は「ホロコースト研究所」として開館した。

  では、杉原さんの行為は純粋に人間愛かといえば、別の情報もある。彼は日本国より託された戦時下
  の国際情報収集を任務としていた。特に(最初の妻がロシア人)ロシア語が堪能で、旧満州赴任時は
  旧ソ連から注目されていた。後に日本政府は旧ソ連に赴任させようとしたが、旧ソ連はこれを危険し
  して拒絶した。やむなくドイツと旧ソ連の間のリトアニアに赴任し、ドイツや旧ソ連等の情報収集に
  ユダヤ系情報機関を利用した。この借りが、後のユダヤ人粛清時の救出の理由という。

 ○イレーナ・センドラーのユダヤ人救出。

   ポーランド人の彼女と仲間は、ワルシャワのユダヤ人強制居住区から2,500人のユダヤ人の子供を
  救出し、ノーベル平和賞の候補になった。98歳没。   

 ○社会主義テーマパーク

   旧ソ連の悪政を忘れないように銅像や博物館等がまとめて見られる。

 ○世界遺産

  ・ビリニュスの歴史地区(文化)。
  ・クルシュー砂州(文化)。
  ・ケルナヴェの考古遺跡(ケルナヴェ文化保護区(文化)。
  ・シュトルーヴェの測地弧(文化)。 

 ○治安は一般的注意@2007.12。

 ○日本大使館

   Embassy of Japan、M. K. Ciurlionio 82 b, 03100, Vilnius, Lithuania
   電話: (370-5) 2310462

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