地球ドライブのノウハウ(51)国別情報:アフリカ、インド洋(ア〜ガ)


◎旅行期

  北から地中海沿岸、サハラ砂漠、サハラ南部のサヘルは暑さが和らぎ、乾季でもある11〜3月がベス
 ト。アフリカ中部から南部はいつでも可だが、コンゴ民主共和国は6〜9月の乾季がベスト。10〜5月の
 雨季は、一部の未舗装道は泥海と化しドライブ不可能。

◎言葉

  かつて被植民地だった国は、旧宗主国の言葉が通じやすい。

◎東アフリカ諸国

  ケニアを中心とした地域はスワヒリ語。スワヒリ語の”ポレポレ”は”ゆっくり、ゆっくり”だが、
 これはアフリカ社会全体にいえることで万事がスローライフ。

◎ガイドブック

  アフリカ全体はロンリープラネット社の「アフリカ・オン・ア・シューストリング(Africa on a 
  shoestring)」がある。

◎フランス語圏

  コンゴ民主共和国やチャドから西のセネガル、モーリタニアまでのいわゆる西・中部アフリカはフラ
 ンス語が通じやすい。

◎通貨、金融

 o西・中部アフリカ(主に旧フランス植民地)の統一通貨はCFA(セーファーフラン)。1ユーロ=
  655.957CFAフランの固定レート。(1CFA=約0.2円)出国時の持出額制限はなし。
 
 o西アフリカでは(Communaute financiere africaine)アフリカ金融共同体の西アフリカ諸国中央銀行
  発行の紙幣はセネガル、ギニアビサウ、マリ、コートジボワール、トーゴ、ベナン、ブルキナファソ、
  ニジェールで使用。

 o中部アフリカでは(Cooperation financiere en afrique centrale)中部アフリカ金融協力体の中部
  アフリカ諸国中央銀行発行の紙幣はチャド、中央アフリカ共和国、カメルーン、赤道ギニア、ガボン、
  コンゴ共和国で使用。

◎交通保険

  西・中部アフリカ(主に旧フランス植民地)15か国共通の強制交通保険は、色が茶色なので通称ブラ
 ウンカードといい、適用国で加入可。ガボン、カメルーン、ガンビア、ギニア、コートジボアール、コ
 ンゴ共和国、赤道ギニア、セネガル、チャド、中央アフリカ、トーゴ、ニジェール、ブルキナファソ、
 ベナン、マリ。

◎国境

  主要国境は賄賂天国だが、地方は素朴。

◎治安

  チャド、スーダン、エリトリア、エチオピア国境の入出国は政治情勢次第。アルジェリア、ソマリア
 は治安が悪く入国困難。

◎乾燥地帯

  サハラ砂漠と周辺のサヘル地区の乾燥は凄く、リップクリームは必携品。

◎ルート確保

  ほとんどのアフリカ縦横断隊が利用する主ルートで、雨季の泥道で通行不可能な国はコンゴ民主共和
 国(キンシャサ)、コンゴ共和国(ブラザビル)、スーダン西南部、中央アフリカ、チャド、カメルー
 ン、マリ、ギニア共和国なので、自分のルートの雨季は慎重に事前調査が必要。

◎ヨーロッパとアフリカ間のフェリー

 ○スペインのカディフ  ⇔スペインのカナリア諸島
 ○ 〃   アルヘシラス⇔スペイン領セウタ
 ○ 〃   アルヘシラス⇔モロッコのタンジール
 ○ 〃   アリカンテ ⇔アルジェリアのオラン
 ○フランスのマルセイユ ⇔アルジェリアのアルジェー、ベジャイア、スキクダ、アンナバ
 ○ 〃   マルセイユ ⇔チュニジアのチュニス
 ○ 〃   セッテ   ⇔アルジェリアのオラン 
 ○イタリアのタラパニ(シチリア島)⇔チュニジアのチュニス
 ○ 〃   パレルモ  ⇔チュニジアのチュニス
 ○ 〃   ジェノバ  ⇔   〃

 その他、イタリア、ギリシャ、トルコ等からキプロス、エジプト、イスラエル等に多数ある。

◎ビクトリア湖とタンガニーカ湖のフェリー

  周辺国の主要港を結ぶ連絡船はあるが、車の積載が可能かは要調査。

◎水

  ほとんどのアフリカの原野の水にはビルハルツ住血吸虫がいて、皮膚から侵入し感染するので、飲用
 にも水泳にも適さない。マラウイ湖は例外で飲用、水泳ともに一応問題ないといわれているが?

◎奴隷

  アフリカの黒人は奴隷として約1億人も拉致・輸出されたという。

◎エイズ

  蔓延は特に南部アフリカで顕著なので要注意。

◎車の部品購入

  輸入品の調達はケニアや南ア等、ごく一部の国しか期待できない。

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■アルジェリア。(旧仏植民地)

 ○主言語はアラビア語、フランス語。

 ○ビザ要。

 ○カルネ不要。

 ○首都はアルジェ。

 ○通貨はディナール。

 ○旅行期は年中可だが砂漠の夏は35度を超える。

 ○接続ルート

  ・当分はモロッコと西サハラは入出国不可。モロッコ間はスペインを迂回すれば(オラン⇔アリカン
   テ等)可。両国間の飛行機はあり。

  ・アルジェリア国内はテロ集団と内戦中で危険だったが、2007.8.30に在日大使館に確認したら「安全
   になったので観光ドライブは可」とのことだった。

  ・リビアへの一般的なルートはなし。

  ・一般的なサハラ砂漠縦断ルートは、難易度が楽な順から@ニジェール、Aマリ、Bモーリタニアへ
   の3本がある。

   @ ニジェールへのルートは「タマンラセット・ルート」または「ホガー・ルート」という。首都
    アルジェから南へ1,916kmのタマンラセット、さらに南へ約60kmまでは舗装道。その先の国
    境手前の集落インゲザムまでの約400kmは、まず岩砂漠で地面は固く、ときどき規則的に波打
    ったコルゲーション道(洗濯板道)。インゲザム手前約40kmあたりが砂地のゆるい下り坂で、
    南下は楽だが、北上はソフトサンドに悩まされる。インゲザムから数kmでアルジェリア側の国
    境事務所、さらに数km先は白いポールが立つニジェールとの国境。さらに数km先のアッサマ
    カにニジェールの国境事務所や食堂がある。このルートの最難関はミッシュランの地図が示すと
    おりインゲザムとアッサマカ間の十数kmのソフトサンド地帯である。ただし、年間数千〜万台
    の車や二輪車が通過しているのだから、故障さえなければ問題はない。

     国境、アッサマカ、アルリット間は約200kmで砂道。国境から約60kmあたりはソフトサン
    ド地帯だが、時速60〜80kmで勢いをつければ突っ切れる。「(24)走行法A参照」アルリットの
    南は舗装道。
 
   A マリへのルートは「タネズロフ・ルート」という。首都アルジェから南へ1,547kmのレガン
    まで舗装道。ここからマリのテッサリトまで約800kmは真っ平らな砂地。当初の100km間はソ
    フトサンド地帯が多いが、ソフトサンド帯の幅は数m〜数百mだから、勢いをつければ渡れる。
    このルートには約10km間隔で道標があり、太陽電池を組み込んだ柱も立っていて夜間は明かり
    が点滅する。ただ、主たるワダチは大勢が通ったので路面が荒れていたり、大穴があったり、コ
    ルゲーション化していて高速では走りにくく、これを避けていると自然と左右のワダチを通るこ
    とになる。これを繰り返していると主たるワダチから離れすぎて方向を示す道標等が見えなくな
    り不安になるので、ときどき道標等が見える位置に軌道修正が必要である。3日位で640km先の
    国境の集落ボルジュモクタールにつく。ここには給油所も食堂もある。

     ボルジュモクタールのアルジェリア側国境事務所で出国手続をしてから(数十km先の)国境
    を通過し、160km先のマリのテッサリトの国境事務所までは比較的固い砂地。そこから283km
    先のアネフィス、さらに234km先のガオまでの道は、7〜8月の雨季(降雨量により通行が左右さ
    れる)以外は通行可。ガオから先は舗装道。

   B モーリタニアへのルートは、首都のアルジェから南西1,624km先のティンドーフまで舗装道。
    そこから砂地を68km南下してモーリタニアに入る。西サハラ国境沿いの砂地を約508km南下し
    て国境事務所があるオアシスのビルモグレンへ。車高が高いトラックや四輪駆動車はよいが、他
    の車や二輪車は難しい。ましてや2007.4現在は、ティンドーフの難民キャンプにいる約2万人と
    いわれる西サハラ独立を標榜しているポリサリオ・フロントが暗躍していて、モロッコ軍と小競
    り合いしていて、地雷原がある所もある。

 ○緑だったサハラ砂漠

   南東部のタッシリ・ナジェール地区では、サハラ砂漠の一部が緑に覆われていた10,000〜8,000年
  前の生活が岩絵で見られる。約5万点。人間、テファナグ文字(レバノンにもある)、鹿類、キリン、
  牛、羊、象、ラクダ、魚捕り網---。1956年、フランスの探検隊はこの地に住むトアレグ人の案内で、
  この「川のある台地、水の流れる大地=タッシリ・ナジェール」を発見し、今は国立公園になった。

   幅数10km、長さ約800km、高さ1,000〜2,000mの乾いた山脈タッシリ・ナジェールへは、オアシス
  村ジャネットから車で約30分。そこからロバに荷を乗せ徒歩で50〜60km。最低でも数泊は必要で、
  トアレグ人のガイド付である。長年の風化で岩盤が奇岩のように屹立し、川底だった低地にはまだ冷
  たい水がある井戸や樹齢千年といわれる糸杉がある。この地下には化石水といわれる地下水層もある
  といわれている。時代を描いた岩絵は古代、馬の時代、ラクダの時代---の何代にも生活した跡が見ら
  れる。馬の時代に生活した人々はサハラ砂漠の乾燥化とともに北上して、やがてローマ人と合流して
  高度の文明を築き、地中海地方でティムガッド(現遺跡)等の町を残した。

 ○竜巻

   サハラで巻き上げられた砂塵は、北は北欧、南はギニ―湾、東はインド洋、西はアマゾンジャング
  ルやカリブ海にまでおよぶ。アマゾンジャングルには年数億トン注いで樹木の肥料になり、カリブ海
  では珊瑚を死滅させている。

 ○内戦

   1990年代から10万人が犠牲になった。2007年は国家非常事態宣言中で、2004年のテロ犠牲者は約300
  人、2006年はテロ掃討作戦で市民99人、治安関係者144人、テロリスト?名死亡。山間部や治安関係施
  設は特に危険。入国は当面避けたほうが無難である。

 ○南部のタマンラセットでニジェールやマリ等のビザが簡単に取れる。

 ○ベルベル人

   ローマ時代、ラテン語で「ローマ世界の外に住む未開の民」という意味でバルバルスと呼んでいた
  のがベルベルになった。ギリシャ語では「言葉がわからない者」を意味するバルバロイに由来する。
  ベルベル人自らは「高貴な出の人間=イマジゲン」と呼んでいた。人口は1,000〜1,500百万人でモロ
  ッコでは全人口の半数、アルジェリアでは5分の1、その他リビア、チュニジア、モーリタニア、ニジ
  ェール、マリ等に住み、ヨーロッパにも約300万人いる。

 ○トアレグ族

   ベルベル系の遊牧民で人口約50万人。多くがニジェールやマリ等のサヘル(サハラ砂漠南縁界隈)
  に住み牛、ヤギ、羊、ラクダ等を遊牧している。

 ○世界遺産

  ・ベニ・ハンマードの城塞(文化)。 
  ・タッシリ・ナジェール(複合)。
  ・ムザブの谷(文化)。 
  ・ジェミラ(文化)。 
  ・ティパサ(文化)。 
  ・ティムガッド(文化)。 
  ・アルジェのカスバ(文化)。

 ○治安は渡航延期勧めC〜十分注意A2007.12。

 ○日本大使館

   Ambassade du Japon、1, Chemin Al Bakri (ex Macklay), BEN-AKNOUN, Alger, Algerie
   (B.P. 80, El-Biar) 電話: (213-21) 912004

■アンゴラ。カビンダ地区(コンゴ民主共和国西端の飛び地)。(旧ポルトガル植民地)

 ○主言語はポルトガル語。

 ○ビザ要。入国後はすぐにイミグレーションで外人登録が必要。

 ○カルネ不要。

 ○首都はルアンダ。

 ○通貨はクワンザ。

 ○旅行期は年中可。

 ○接続ルート

   ナミビアは可だが、コンゴ民主共和国は政治情勢次第。北部の飛び地カビンダと船便あり。

 ○内戦

   数十年の独立戦争、30数年の内戦の死亡者は約50万人。その後遺症の地雷や犯罪多発で入国は危険。

 ○人口と寿命

   増加率は世界平均の1.2%の倍以上で2.9%。娘の結婚で入る結納金は父の年収の3年分位とか。出
  生率は世界第9位で6.75人で日本(1.3)の5倍。平均寿命は約36歳で日本の2分の1以下。 

 ○水源地

   山岳地帯で雨季に降った多量の雨がザンベジ川となり、やがてザンビアとジンバブエ間のビクトリ
  ア滝(落差107m、長さ1.7km)、カリバ人造湖(貯水量は世界1、面積は世界第4位で琵琶湖の8.3
  倍)を経てインド洋に注ぐ。他の一つはカバンゴ川となってボツワナのカラハリ砂漠に大きなオカバ
  ンゴ湿地帯をつくり、動植物を潤す。アンゴラの山岳地帯は南部アフリカの給水塔的存在である。

 ○疫病

   軍人の50%はエイズ感染者。2006.5、南部でコレラの死者は約1,300人を突破し、過去15年間で世
  界最大規模。

 ○成長率

   2008年は27.2%の予想。(日本は1.5%)

 ○世界遺産は登録なし。

 ○治安は渡航是非検討B〜十分注意A2007.12。

 ○日本大使館

   Embaixada do Japao、Rua Eng. Armindo de Andrade No. 183/185, Bairro Miramar,
   Luanda,Angola (Caixa Postal 6592) 電話: (244) -222-442007, 441662

■ウガンダ。(旧英植民地)

 ○主言語は英語、ルガンダ語、スワヒリ語。

 ○ビザは要。国境でビザ取得可。

 ○カルネ要。

 ○首都はカンパラ。

   郊外の Kampala Backpackers Hostel は設備がよく、日本語読み書きOKの無料インターネット付き。

 ○通貨はシリング。

 ○旅行期は年中可だが4〜5月は少し雨が多い。
 
 ○ターザン気分

   ビクトリアナイル川の「マーチソンズフォールズ滝壺から下流の船旅」はターザンになったような
  気分になる。ただし、小さな観光ボートが転覆したらワニやカバの餌食になること間違いなし。

 ○氷河

   海抜5,119mのルエンゾリ山はアフリカ大陸でも氷河が見られる所。ただし、毎年溶けて下端は100
  mも上昇しているので、いつまで見られるか?

 ○マウンテンゴリラ

   西部の山岳地帯には、世界のマウンテンゴリラの半数約700頭以上が生息している。しかも2箇所で
  別種のゴリラが見られるが、1日20数人しか許可証が取れない。ブウンディ国立公園でのツアー代は
  500米ドルで乾季の1〜2月のみ。チンパンジーが観察できるカリンジ森林公園、キバレ国立公園での
  ツアー代は40米ドルで3〜5月と9〜11月の乾季のみ。カセンガ村では現地の村見学ツアーもあり、代金
  は15米ドル。これだけ容易にマウンテンゴリラとチンパンジーが観察できる国は世界でウガンダだけ。

 ○出生率

   世界第5位で7.1人。

 ○内戦

   主要幹線道路は比較的安全だが、その他の地域は内戦中で危険。難民200万人。

 ○独裁者の罪

   1974年、クーデターで大統領になったイディ・アミン・ダダは、在住する英国人やインド人等の外
  国人をすべて国外に追放した。持ち出せない財産はすべて放棄させた。歴史上まれに見る横暴である。
  これが、南アフリカの人種隔離政策(アパルトヘイト)をさらに固持させ、この間にいかに多数の犠
  牲者を生んだか。

   昔の南アは、少数のヨーロッパ人が多数の黒人を支配していた。しかし、ヨーロッパ人達も世界の
  多数決による民主主義には同一の価値観を持っていた。問題は「もし南アで人種隔離政策を捨て、通
  常の多数決を導入したら、少数のヨーロッパ人達はウガンダの悲劇のように、多数の黒人等により無
  一文で国外に追放されてしまう」。これでは、無理な論理(人種隔離政策)を強制してでも居座らな
  ければ、引き受けてくれる国はない。ということで、すべての南ア人は苦悩していた。ダダは国内の
  追放外国人のみならず、南アの人種政策で犠牲になった人々や苦悩した国民にも、大いに謝罪すべき
  である。

   それにしても、再生南ア初代のマンデラ大統領はアッパレである。ケープタウン沖の孤島の獄中に
  27年間も投獄され、自分の便さえ食べさせられた南ア初の黒人弁護士で、奇跡的に大混乱を回避して
  正常な南アにしたのだから。

 ○世界遺産

  ・ブウィンディ原生国立公園(自然)。 
  ・ルウェンゾリ山地国立公園(自然)。 
  ・カスビのブガンダ歴代国王の墓(文化)。 

 ○治安は渡航是非検討B〜十分注意A2007.12。

 ○日本大使館

   Plot 8, Kyadondo Road, Nakasero,Kampala, Uganda 
   (P.O. Box 23553 Kampala, Uganda) 電話: (256-41) 434-9542〜4

■エジプト。(旧英植民地)

 ○主言語はアラビア語、英語。

 ○ビザ要。国境で30日取得可能。15米ドル。入国後延長可。

 ○カルネ要。

  ・港での車の持ち込みは世界一面倒で期間がかかる。10日間かかったという人もいる。しかし、通行
   車が多い陸路入出国は慣れているので、それほどでもない。

  ・カルネがないと車両等の時価の150%を保証金として入国地で払い、一時輸入許可証を発行しても
   らい、出国地で保証金を返金してもらう。一時輸入許可証の有効期間延長は3か月間も可。

  ・イタリアのベニスからフェリーで入国すると、船中でカルネの代わりの一時入国許可証が発行され、
   ビザも取得できるという情報あり。

  ・入国手続時にエントリー・フィーというエンジン容量による入国税(2000ccで2万円位)を払い、
   アラビア語で書かれたエジプトのナンバープレートを付け、これは出国時に返却する。

 ○首都はカイロ。

 ○通貨はエジプト・ポンド。

 ○旅行期は年中可だが11〜3月がベストで、5〜9月は暑い。

 ○予防注射

  黄熱病は不要。マラリアも、WHOでは予防薬摂取不要地域に指定されている。

 ○接続ルート

  ・すべて可。だがリビア、パレスチナのガザへの町ラファ、イスラエル南端の町タバ等は政治情勢次
   第。

  ・スーダンのワディハルファへゆくナセル湖のフェリーはアスワン港から週一便のみ。

  ・首都カイロから470kmのシナイ半島の東側の港ヌエバから、アカバ湾最深部のヨルダンのアカバ港
   には1日2便のフェリーあり。(人30、二輪車20米ドル)

  ・スエズ運河南端のスエズ港からヨルダンのアカバ港に多数の船便あり。

  ・スエズ港の北30kmに紅海の下を通ってシナイ半島に渡れるトンネル道あり。

  ・ギリシャやイタリア等、ヨーロッパ各地とフェリーあり。

 ○走行許可

   カルネ、走行許可書、エジプトのナンバープレート装着、対人強制保険(自由という情報もある)
  が必要。ナンバープレートは出国時に返却する。 
 
 ○外人登録

   入国後1週間内に警察署等で行う。

 ○経済、社会

  ・ガソリンはリッター20円位。カイロを流れるナイル川のゲジラ島には大根、白菜、豆腐等の日本食
   店あり。質素な生活なら年10万円でOKというの貧乏旅行者の天国。定年後の終の棲家にも?

  ・日本人旅行者が集まる安宿はサファリホテル。

  ・お店は暑い日中は閉じ、閉店は24時頃が多い。生水、生野菜、氷等は不衛生なので要注意。イスラ
   ム圏だがビールとパンの発祥地で豊富。ただ酒屋は少ない。

  ・国際学生証があれば博物館、ピラミッド、遺跡等は半額。国際学生証の入手先は世界のユースホス
   テルの掲示板にあることが多い。

  ・カイロは交通信号が少ない。

 ○ピラミッド

  ・ピラミッドはナイル川の西岸に集中している。ナイル川を中心にして、東岸は日が昇る「現世」、
   西側は日が沈む「来世」という考え方から、「お墓は西岸に」という説あり。

  ・ナイル川東岸にあるルクソール神殿のオベリスク(石塔)は1本しか残っていない。もう1本はパリ
   のコンコルド広場に立っている。

  ・遺跡で悲しいのは、偶像を認めないイスラム教徒の「偶像破壊」で、多くの貴重な文化遺産が破壊
   されている。

 ○観光

  ・危険な治安やアラビア語等により、ガイドがいないエジプト観光は大変。日本人や日本語ガイド20
   人を擁する「Sakura Travel Egypt」は安心。社長は拓殖大学卒のエジプト人で、日本語は堪能。
  
   電話: (国コード20)(0)2-525-7181)
   住所:7 Osman Towers. Floor 5,no 501-Maady-Cairo-Egypt。ナイル川東岸の日本大使館隣。

  ・ギルフ・(エル)・ケビール(アラビア語で偉大な大地)。高さ300m、南北200km、東西150km
   で約7,000平方キロメートルで静岡県と同じ。カイロから砂漠を四駆で5日間ドライブし、約1000
   km先の南西のリビアとスーダンの国境に近い地方。3か所に岩絵が沢山あるが未発見個所も無数に
   あるらしい。ダチョウ、サイ、ガゼル、牛、キリン、人、泳ぐ人、首なし動物等、約10,000〜5,000
   年前にいた人が描いた。ピラミッド時代の人の先祖が住んだのかもしれない。
   ここから50km北には世界最大の隕石穴があるが、その衝撃時の高温高圧で砂に含まれたガラス成
   分が合成されてできたものが、世界でこの地でのみ発掘されている黄緑色の奇石シリカグラス。ツ
   タンカーメンの装飾品に飾られている。世界でこの地のみの産出物にはもう一つあり、ピラミッド
   内部の壁画の染料石も散在している。
   私がエジプトを訪れた2008.9は、この付近で観光客が賊に誘拐され、身代金要求騒ぎがあったが、
   後にエジプト・スーダン・リビアの合同特殊部隊が彼らの解放に成功した。

  ・スエズ運河
   全長163km、幅34m、深さ15m、閘門0、橋の桁下68m、船の北上には12h、南下には16hかかる。15
   万トン級が通過限界で、これ以上のタンカーやコンテナ船は従来通りケープタウンを迂回しなけれ
   ばならない。この航路は約6,500km伸びるので2,000〜3,000万円余計にかかる。ただし、アデン湾
   の海賊問題で見直されるかもしれない。地中海と紅海の海水位差はほぼゼロ。

   (パナマ運河は全長80km、最小閘門294.1m、全幅:32.3m、吃水:12m、閘門3、橋の桁下57.91m。
   排水量は65000トンが限界で53,000トンの戦艦ミズーリーが通過した中では最大。戦艦大和は世界最
   大の大砲を積むためこれより大きく作られ長さ263m、幅38.9m、吃水深さ10.4m。パナマ運河の通
   行料1トン1.39米ドルで年々上昇中。2008.2.24には豪華客船「Norwegian Jade」号が313,000ドル以上
   を支払。東西どちらからでも24h位かかる)

  ・ナイル川の恩恵

   ナイル川の上流は雨季に水量が増し、下流のエジプト内では川が氾濫して田畑を潤し、肥沃にした
   ので、エジプト文明は栄えた。その肥沃の真因はエチオピアの青ナイルの源流にある。肥沃な玄武
   岩の土が雨で流失して青ナイルでエジプトに運ばれ、農作物を増やし、世界有数の高度な文明興隆
   に資した。エチオピアでは今でも畑に肥料は不要という。

 ○世界遺産

  ・メンフィスとその墓地遺跡、ギーザからダハシュールまでのピラミッド地帯(文化)。 
  ・古代都市テーベとその墓地遺跡(文化)。 
  ・アブ・シンベルからフィラエまでのヌビア遺跡群(文化)。 
  ・イスラーム都市カイロ(文化)。 
  ・アブ・メナ(文化)。 
  ・聖カトリ−ナ修道院地域(文化)。 
  ・ワディ・アル・ヒタン(自然)。 

 ○治安

   十分注意A2007.12。時々爆弾テロ等あり。南部では観光客を狙うテロがあったので、状況によっ
  てはアスワンダムから数百km北までは警察や軍隊による護衛がつくコンボーイ移動になる。
 
 ○日本大使館

   81 Corniche El Nil Street, Maadi, Cairo, Egypt (P.O.Box 500 Maadi)
   電話: (20-2) 25285910

■エチオピア。

 ○主言語はアムハラ語、英語。

 ○ビザ要。空港で取得可。

 ○カルネ不要。

 ○首都はアディスアベバ。

 ○通貨はブル。

 ○旅行期は年中可だが、7〜8月は少し雨が多い。

 ○接続ルート

   スーダンとケニアはOK。独立間もないエリトリアとソマリア(北部の自称独立国のソマリランド共
  和国は可)は流動的。

 ○主食

  ・世界でここだけの(含、エリトリア)テフという雑穀を発酵させた、一寸酸味があるパン。

  ・世界でここだけのエンセーテという植物の茎のデンプンを発酵させてパンに、根茎は煮て食べる。   

 ○民族

   高山、峡谷、川等で交通を遮断された地方は、今でも原始そのままの生活が息づいていて思わず息
  をのむ。民族は約80。

 ○コーヒー

   原産地。日本が2005年に輸入したコーヒーの多さでは5番目の国で30,462トン、257円/kg。その昔、
  コーヒーは薬用で、砂糖や塩を入れて飲む嗜好品になるのに600年かかったという。

 ○旧帝国

   アフリカでは唯一植民地化を免れた独立国。1974年、ハイレシェラシェ皇帝は革命に遭い---。

 ○シバの女王

   エルサレム(イスラエル)のソロモン王と結婚したシバの女王の出身地という説あり。もう一つの
  出身地説はイエメン。

 ○移民

   上記の歴史から、ユダヤ教と源が同じということで、エチオピア正教徒(キリスト教)のイスラエル
  移住が進行中。

 ○世界遺産

  ・シミエン国立公園(自然)。 
  ・ラリベラの岩窟教会群 (ザグウェ朝)(文化)。
  ・ゴンダール地域のファジル・ゲビ(文化)。 
  ・アワッシュ川下流域(文化)。 
  ・ティヤ(文化)。 
  ・アクスム(文化)。 
  ・オモ川下流域(文化)。 
  ・歴史的城塞都市ハラール・ジュゴル(文化)。 

 ○治安は退避勧告D〜十分注意A2007.12。エリトリアとソマリアの国境は大危険。

 ○日本大使館

   Embassy of Japan、Kirkose Kifle Ketama K.19 H.No.653, Addis Ababa,
   Ethiopia (P.O.Box 5650) 電話: (251-11) 5511088

■エリトリア。(元イタリア→英→エチオピア支配)

 ○主言語はティグリニャ語、アラビア語、英語。

 ○ビザ要。

 ○カルネ不要。

 ○首都はアスマラ。世界一暑い首都?

 ○通貨はナクファ。

 ○旅行期は年中可だが7〜8月は少し雨が多く40度にもなる。

 ○接続ルート

   スーダンは可、エチオピアは国境紛争次第、ジブチは悪路とテロで困難。

 ○世界遺産は登録なし。

 ○治安

   地域により退避勧告D〜十分注意A2007.12。1993年のエチオピアからの独立から間がなく、国境
  紛争や治安が悪い。

 ○日本大使館はなく、ケニアの日本大使館が兼務。

■ガーナ。(旧英植民地。旧黄金海岸)

 ○主言語は英語。

 ○ビザ要。

 ○カルネ要。

 ○首都はアクラ。

 ○通貨はセディ。

 ○旅行期は年中可だが、雨は6月が多い。

 ○野口博士像

   首都のコルレブー病院に胸像あり。彼は蛇毒、梅毒、熱病の研究で世界の医学界に大変貢献し、エ
  クアドルでは黄熱病(旧式の光学顕微鏡しかない当時はそう思われていた)に罹って死ぬ大勢の人々
  をワクチンを開発して救った。それは米国のロックフェラー研究所から派遣されて、わずか9日目の快
  挙で、同国は彼の偉業に敬意を表し「陸軍大佐に任命、記念切手発行、グアヤキルの港街の通りに彼
  の名を命名---」を行った。彼は、同国にくる前の米国では病気で入院していたが、 そのわずかな期
  間にスペイン語を猛勉強し、着任の挨拶は流暢なスペイン語でしてみせ、最初から皆を圧倒したとい
  う。できが違う〜!ガーナでは、ほんの2〜3服吸った葉巻煙草は捨てたので、弟子達はこれを拾って
  吸ったという。天才はどこか違う。

 ○独立

   第2次世界大戦後の1957年、アフリカの黒人国で最初に独立し、以後の非植民地国の独立に拍車を
  かけた。

 ○内紛

   政争、部族争い、要注意。

 ○マラリア

   今でも世界で年100〜300万人が死亡している史上最大の感染症。死亡する種類は「熱帯熱マラリア」
  の割合が95%と高く、日本人など初感染者は放置すると1週間程度で死亡することがある。マラリア予
  防薬は副作用も強く、肝機能に影響を及ぼす可能性がある。マラリアは「ハマダラカ」という蚊(メ
  スのみという説あり)が媒介して感染し、潜伏期は7〜12日間。予防薬を飲んでいても罹ることがある
  が、軽くて済むことが多い。ワクチンはまだない。

 ○世界一の人造湖

   「ボルタ」の面積は8,400kuで世界一。(琵琶湖はこの12分の1の674ku)

 ○カカオ
 
   日本が輸入するカカオ豆の1はこの国で、2005年は38,358トンで191円/kg。

 ○世界遺産

  ・ヴォルタ、アクラ周辺および中部・西部地方の城塞群(文化)。 
  ・アシャンティの伝統的建築物群(文化)。 

 ○治安は渡航是非検討B〜十分注意A2007.12。

 ○日本大使館

   Fifth Avenue, West Cantonments Accra, Ghana (P.O. Box 1637)
   電話: (233-21) 765060, 765061

□カナリア諸島。(スペイン領)

 ○主言語はスペイン語。

 ○観光ビザは90日不要。

 ○州都はグラン・カナリア島のラスパルマスとテネリフェ島のサンタクルスの2つ。

 ○通貨はペセタ。

 ○旅行期は年中可。乾燥していて気温は年中15〜35度で快適。

 ○接続ルート

   スペイン南部のカディス港との間にフェリーあり。その他のヨーロッパとも船便は多い。西サハラと
  の船便はなくなった。

 ○避暑地、保養地

   年1千万人以上が訪れるヨーロッパ人等のオアシスで、老若男女がゆったり観光・生活している。グ
  ラン・カナリア島のテヘイダ山(1450m)の頂上から眼下に広がる夜景は最高に美しい。綿雲が海面
  に散在する太西洋と、宝石箱をぶちまけたような色とりどり明かりがきらめくラスパルマス市の夜景
  は、この世が天国であることを確信させる。

 ○カナリアの由来

   古代ローマの学者は、島に多くの野犬がいることを伝えたため、ラテン語で犬を意味する canis が
  カナリア諸島 "Canaria" の名前の由来となった。

 ○世界遺産

  ・テネリフェ島の旧都サン・クリストバル・デ・ラ・ラグーナ(文化)。
  ・ラ・ゴメラ島頂上のガラホナイ国立公園(自然)。

 ○治安は一般的注意@2007.12。

 ○日本総領事館

   Consulado del Japon、Calle Santiago Rusinol No. 12,
   35005-Las Palmas de Gran Canaria,Espana (Apartado Postal No. 733)
     電話: (34)928-24-4012, 24-3466

■カーボベルデ。(旧ポルトガル植民地)

 ○人口50万人でポルトガル人と黒人の混血が大半の諸島。

 ○主言語はポルトガル語、クリオール語。

 ○ビザ要。

 ○首都はプライア。

 ○通貨はエスクード。

 ○旅行期は年中可だが5〜10月は雨が多。

 ○接続ルート

   セネガルのダカールから船便あり。

 ○経済
 
   資源小国で農業と漁業の静かな国。物価は高い!

 ○世界遺産は登録なし。

 ○治安は一般的注意@2007.12。

 ○日本大使館はなく、セネガルの日本大使館が兼務。

   Ambassade du Japon、Boulevard Martin Luther King, Dakar, Senegal
   (B.P. 3140)電話:(221)338495500

■ガボン。(旧仏植民地)

 ○主言語はフランス語。

 ○ビザ要。

 ○カルネ要。

 ○首都はリーブルビル。

 ○通貨はCFAフラン。

 ○旅行期は6〜9月の乾季がベスト。その他の月は雨が多い。   

 ○建国

   首都リーブルビルは欧米等から戻った元奴隷が建設。ボンゴ大統領7選の独裁国家?

 ○経済

   石油景気でアフリカ大陸では個人あたりのGDPはナンバー1。日本との経済的な絆は各分野で深
  く、自動車の70%は日本製。

 ○お墓

   ノーベル平和賞受賞者シュバイツァー博士の墓は、首都のシュバイツァー病院の一角にある。

 ○世界遺産

  ・ロペ=オカンダの生態系と残存する文化的景観(複合)。 

 ○治安

   渡航是非検討B〜十分注意A2007.12。感染源が特定されていないエボラ出血熱等の流行にも要注意。

 ○日本大使館

   Ambassade du Japon、Boulevard du Bord de Mer, B.P. 2259, Libreville, Gabon
   電話: (241) 73-22-97, 73-02-35

■カメルーン。(旧仏植民地)

 ○主言語はフランス語、英語。

 ○ビザ要。空港で取得可。

 ○カルネ要。

 ○首都はヤウンデ。

 ○通貨はCFAフラン。

 ○旅行期は年中可だが9〜10月は雨が多い。ドアラ等の海岸地帯は高温多湿の典型地。

 ○国情

   砂漠から熱帯ジャングルまでの気候、アラブ系や黒人等の民族等、何でもあるアフリカ。病院の体
  重計は、まだ"天秤計り"の所もあるほどロマンチックな国。ヤシ油の料理は臭いがキツイ〜が。

 ○世界遺産

  ・ジャー動物保護区(自然)。 

 ○治安は犯罪多く十分注意A2007.12。

 ○日本大使館

   Ambassade du Japon、1513, Rue 1828, Bastos-Ekoudou, Yaounde, Cameroun
   (B. P. 6868)電話:(237)2-220-62-02

■ガンビア。(旧英植民地)

 ○主言語は英語。

 ○ビザ要。

 ○カルネ不要。

 ○首都はバンジュール。

 ○通貨はダラシ。

 ○旅行期は年中可だが7〜9月は雨が多い。

 ○輸出

   収入の約70%以上は落花生で稼ぐ。裸のスエーデン人観光客が海岸の砂浜を占領している。

 ○GDP

   一人あたりのGDPは日本の約120分の1だが、平均的な幸福度はどちらが上か?

 ○世界遺産

  ・ジェームズ島と関連遺跡群(文化)。 
  ・セネガンビアの環状列石(文化)。 

 ○治安は一般的注意@2007.12。

 ○日本大使館はなく、セネガルの日本大使館が兼務。

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