地球ドライブのノウハウ(7)ビザ


■ビザ不要国

  日本と相互ビザ免除協定にある約60か国は不要。有効な旅券を持っていればビザなしで入出国できる。
 また他の多くの国は一時通過、飛行機の乗換え、1〜2週間以内の短期滞在等はビザなしで入出国できる。

■ビザの種類

 ○目的別ビザ
  
   「観光用ビザ」が一番取得しやすい。他に「修学ビザ」「就労ビザ」「親類訪問ビザ」等があるが、
  これらの手続は手間がかかる。

 ○入出国回数別ビザ

   一般的には1回入出国できるシングルエントリービザ。2回入出国するときはダブルエントリービザ。
  2回以上入出国するときはマルチプルエントリービザ。

 ○出国ビザ

   国によっては入国した後に、出国するときは同国内で「出国ビザ」を取得してから出国しなければ
  ならない。逆に、出国はまったく手続が不要で完全にノーチェックな国もある。

■一般的な取得方法

 ○日本からビザが必要な国へゆくときは、在日大使館等に備えてある申請書に記入しパスポートサイズ
  写真、渡航航空券、預金残高証明書等の要求書類を添付して申請する。相手国の規則により即日〜30
  日位で取得できる。外国でも要領は同じ。

 ○日本に在日公館がある国に数か月以内にゆくときは、日本で取ると簡単。入国時期が確定できず遅く
  なりそうなときや、入国時にはビザの有効期間が切れてしまうほど遅くなりそうなときは、入国直前
  に滞在している国で取ること。

 ○例えばケニアとタンザニア間のように、隣国とトラブルがない国同士は、隣国で取得すると比較的簡
  単。イスラエルとレバノン間のように、隣国と不仲な国は隣国のビザがとりにくい。

 ○旧植民地は旧宗主国で取ると取りやすい。

 ○訪問国の近隣国で「陸上入国」として申請すれば入出国用航空券の提示は不要だが、遠隔地で申請す
  ると「将来、陸上入国する」といっても聞き入れられず、不必要な入出国用航空券を提示しなければ
  ならないときがある。この場合は一旦航空券を購入して、ビザが取得できたら払い戻してもらうこと。

■ビザの有効期間

  一般的にはビザ取得後、一定の期間内までに入国しなければならない。そして、その国に入国してから
 はビザの有効期間だけ滞在できる。ビザの発給を受けたら大半は現地で延長可。

  だが、ビザ発行日から有効期間をカウントする国があり、この場合は早目に日本等で取得すると、そ
 の国にゆくまでにビザの有効期間が少なくなるか期限切れになるので、旅程にあわせて取得計画を練る。

■ビザ申請時の旅券の有効期間

  ビザ申請の際、旅券の残存有効期間が少ないとビザは取れない。その期間は国によって異なり、さま
 ざまである。各国が要求する旅券の残存有効期間の例。

 @ 単に帰国まで有効な旅券
 A 相手国に入国時、30日〜6か月以上有効な旅券
 B 相手国を出国時、14日〜6か月以上有効な旅券
 C 相手国のビザ申請時、3〜6か月以上有効な旅券
 D 相手国に入国時、2か月以上+滞在日数有効な旅券
 E 相手国の出国予定日+1日以上有効な旅券
 F 相手国での滞在日数以上有効な旅券
 G その他

■ヨーロッパのビザ

 ○外国人観光客に対するヨーロッパ共通のビザ条約「シェンゲン協定加盟国」は15か国。日本人の場合、
  最初に入国した日から180日間以内の90日間以内なら、どこの加盟国にもビザなしで入出国できる。加
  盟国は、

  アイスランド、イタリア、オーストリア、オランダ、ギリシャ、スエーデン、スペイン、デンマーク、
  ドイツ、ノルウェー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポルトガル、ルクセンブルグ。

 ○有効期間は最初に入国した日から180日間以内の90日間なので、その間に他の非加盟国にもゆけるし、
  戻ってきて再入国もできる。非加盟国はスイス、ルーマニア、ブルガリア、旧ソ連諸国、旧ユーゴス
  ラビア諸国、その他のヨーロッパ諸国で、これらは従来どおりのビザ規則で入出国する。

 ○180日間以内の90日間有効なシェンゲンビザは、最初に入国してから180日間すぎて再入国すれば、ま
  た90日間は協定国を自由に旅行できる。

 ○ドイツ等のように、ワーキングホリデービザが効く国のビザを取って入国すれば、必要に応じて1年間
  居住・旅行できる。

■旧ソ連のビザ

  「日本の中央アジアビザセンターのヤスミナツアー会社」「ミーラス」「シルクロード・トラベル・
 インフォメーション・センター」等のホームページで詳細がわかる。

■ビザ申請用写真の持参

  旅行中、ビザ申請用写真は何枚も必要なので、申請国数×2枚は携帯するとよい。旅先で写真を作ると
 面倒であり費用もかかる。旅行期間が長くなると顔も老けてくるので、最初から少しやつれた顔にして
 おくと怪しまれない。薄汚れて栄養失調のような顔をして、ビザ申請に「旅立ち当時の初々しい写真」
 を添付すると「本人ではない?」と怪しまれる。

■ビザ不要国と許容滞在期間の調査

  旅行代理店等から小冊子をもらい、観光目的ではビザ不要の国と、各国の許容滞在期間を調べる。下
 記は「3か月以内または90日以内不要国」、「E」は現地内で計6か月まで延長可、「要」は一時査
 証相互免除取扱停止国を意味する。これらの調査はWebでも可。

 ○アジア------イスラエル、イラン要、韓国、シンガポール、トルコ、パキスタン要、バングラデッシ
        ュ要、ブルネイ14日以内、マレーシア。

 ○ヨーロッパ--アイスランド、アイルランドE、アンドラ、イギリスE、イタリア、エストニア、オー
        ストリアE、オランダ、キプロス、ギリシャ、クロアチア、サンマリノ、スイスE、ス
        ウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツE、ノ
        ルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ブルガリア、ベルギー、ポーランド、
        ポルトガル、マケドニア旧ユーゴスラビア、マルタ、モナコ、ラトビア、リトアニア、
        リヒテンシュタインE、ルクセンブルグ。

 ○アフリカ----チュニジア、モーリシャス、レソト。

 ○北米--------アメリカ、カナダ。

 ○中南米------アルゼンチン、ウルグァイ、エルサルバドル、グァテマラ、コスタリカ、スリナム、チ
        リ、ドミニカ共和国、バハマ、バルバドス、ホンデュラス、メキシコE。

 ○大洋州------ニュージーランド。

■ビザ不要国も要注意

  o紛争やテロ等が発生すると変更になることがあるので要注意。

  o入国時に許可された滞在期間が終了して延長したいときは、各国の事情により可能な場合と不可能
   な場合がある。不可能な場合は一度外国に出国しなければならない。

■ビザ取得時の知恵

 ○入国目的

   観光は比較的簡単。修学等は、種々の手続きが必要である。

 ○申請者の職業で無難なのは

   学生、先生、農業・漁業・林業従事者等。学生は英訳の学生証が必要な国がある。「無職」や「旅
  行者」は無用な誤解を与えることがある。

 ○日本国内での観光ビザ取得条件

   パスポートサイズの写真や銀行口座の残高証明書を要求する国がある。有料。

 ○日本以外でのビザ取得条件

   旅券のコピー、パスポートサイズの写真を添付し、旅行小切手や現金等を提示しなければならない
  国が多い。有料。

 ○ビザの延長ができないとき

   一般的には一度近隣国にでて同国の大使館等で再取得するとよい。もし、旅券の前ビザが障害にな
  りそうなら、日本大使館等に相談して新規の旅券を発行してもらえばよい。(新旅券発行は(6)
  「旅券」参照)

■ビザ期限の延長方法

  現地の外国人管理事務所で「申請書に滞在延長理由を記入し、旅行小切手や現金等を提示」しなけれ
 ばならない国が多い。ときにはパスポートサイズの写真も必要である。

■ビザの期限切れ

  現地の外国人管理事務所で相談する。ときには弁護士と事前に相談すること。

■その他

 ○クウェートは観光ビザを発行しない。だが、高級ホテル泊のツアーならゆける。

 ○日本と国交がなく、個人では自由にゆけない国は北朝鮮のみ。北朝鮮系の団体ツアーは可。

 ○国際国内情勢により、各国のビザ発給状況は日替わりする。これらに関する情報はマスコミや他の旅
  人等から常に最新の情報を得ること。

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