地球ドライブのノウハウ(9)病気、ケガ、予防注射証明書(イエローカード)


■WHO傘下の黄熱病の予防注射証明書。
 (International Certificate of Vaccination or Revaccination Against Yellow fever)

  表紙の色が黄色のため、通称はイエローカードといい、アフリカと南米諸国等の感染国では提示を要
 求される。基本的に、他の予防接種は要求されない。

■任意の予防接種

  他の任意の予防接種はこれとは別に個人の要求で接種され、イエローカードに併記、または独自の証
 明書が発行される。

■不要になった予防接種

 o天然痘(スモールポックス、予防接種は種痘という)。

 oポリオ(=小児麻痺。正式名は急性灰白髄炎(きゅうせいかいはくずいえん、poliomyelitis))も
  2007年以降の全地球上の無発生を確認してから3年後に、WHOが絶滅宣言を出す予定。

■出発前の接種

  国別に何が必要で、どこの検疫所や病院等で、いつ注射し、イエローカードをどこで取得するかは旅
 行代理店等できくこと。アフリカ大陸や南米等では黄熱病(Yellow Fever、10年間有効)、必要に応
 じてコレラ(Cholera、6か月間有効)、発しんチフス(Typhus、3年間有効)、破傷風(Tetanus、1年
 間有効)、腸チフス(Typhoid Fever、1年間有効)。

■旅行中の接種

  現地のホテル、旅行代理店等で予防接種ができる場所をきき、注射したら持参したイエローカードに
 併記・押印・サインしてもらうか、別の証明書を発行してもらう。

■予防注射

  個人によって有効期間が異なり、B以降は3回すればより効果が上がる。1度に1種類の注射しか打て
 ないので、4種類なら1週間毎に1回で合計1か月間かかり、2回目はそれぞれの種類の間隔で打つ。注射の
 種類によっては他の注射に対して十分な間隔が必要なので、事前に綿密な計画が必要。東京検疫所談)

  @ 黄熱病の有効期間は約10年で注射は1回。証明書発行代込みで8,530円(東京検疫所)。(スペ
    インのバルセローナの検疫所は無料という。世界には無料で予防注射をしてくれるところが沢山
    ある)

  A コレラの有効期間は約6か月で注射は2回で約3,000円。2回目は5〜7日後に。

  B A型肝炎の有効期間は約5〜10年で注射は2回で約18,000円。2回目は2〜4週間後、3回目は6〜12か
    月後。

  C B型肝炎の有効期間は約5〜10年で注射は2回で約17,000円。2回目は4週間後。3回目は6〜12か月後。

  D 狂犬病の有効期間は約4年で注射は2回で約15,000円。2回目は1〜4週間後。3回目は6〜12か月後。

    トルコや南米のアンデス山脈の放牧地帯は狂犬病持ちの牧畜犬が旅人を襲うことがある。フィリ
    ピンの飼い犬約800はほとんどが放し飼いで90%は予防注射なし。飯を与えられているのはごく
    一部で、年300人が狂犬病で死亡。2006.11フィリピンで犬にかまれ日本に帰国後2人死亡。非感
    染国の日本、オーストラリア、ニュージーランド、アイスランド、北欧等の12か国・地域以外の
    ほぼ全世界では毎年約55,000人が死亡。インド17,000人/年、中国2,000人/年。

     犬にかまれ狂犬病の恐れがあるときは、事後でも1〜2か月以内の発症前なら治療薬が効くので
    現地の病院へ駆け込むこと。発症したら治療方法はなし。

  E 破傷風の有効期間は約1年で注射は2回で約7,000円。2回目は3〜8週間後。3回目は6〜12か月後。

  F マラリアには予防薬しかなく、飲んでいれば罹患したときは症状が軽減される。

■症状

 ○A型肝炎

   水、食物、食器等から感染する伝染病。15〜50日で症状が現れる。全身がだるく、食欲がなくなり、
  発熱等がある。尿は紅茶色、便は白く、黄疸が現れ白眼が濁ってくる。宿や食堂等では要注意。

 ○マラリア

   メスのハマダラ蚊に刺されると7〜40日後に感染する。熱帯や亜熱帯の低地に多く、マラリア原虫
  の違いにより主な種類は4つある。

  @ 3日熱----------48時間毎に発熱し、危険度は比較的低い。
  A 4日熱----------72  〃
  B 卵型------------50  〃
  C 熱帯熱マラリア--周期性は薄く、危険度は比較的高い。

■病気やケガの相談

  旅行傷害保険に加入したときは、日本語での24時間相談窓口があるのが多いので、利用しよう。

■入院、手術

  やむを得ないときを除き、日本に帰国するか先進国に搬送してもらったほうがよい。薬品や衛生器具
 の不足、不衛生、危険な輸血やワクチン接種等、日本のスタンダードと大きく違うことが少なくない。
 現地の日本大使館にはこれらに対応する体制が整備されているので、躊躇なく相談しよう。

■英語で症状を訴えたいときは

  あらかじめ、書類を用意して持参する。日本語(下は英語版)のシートの症状にチェックを入れると
 下側の英語版シートにチェックが入り、症状が正確に医師に伝わる。「シヴィルパスポート メディカ
 ル編」900円。ワールドショッピングプラザ 0120-672900

■その他

 ○食物、水、食器等での感染
 
   腸チフス、パラチフスA型、E型肝炎、コレラ、赤痢、食中毒、経口寄生虫疾患。

 ○虫からの媒介

   マラリア(メスのハマダラ蚊)、黄熱病(熱帯シマ蚊等)、デング熱(熱帯シマ蚊等)、トリパノ
  ソーマ症、リーシュマニア症、フィラリア症、住血吸虫症等。

   マラリアは史上最強の感染症で今でも年に300万人が死亡している。一般的には予防薬(言語、製
  薬会社、薬剤で名前が違う。例:メファキン、パルドリン、ソフロキン、アルスマックス、ドキシサ
  イクリン等)を飲む。1週間に1度飲む薬が多い。新規の抗生物質にも年々耐性があるマラリアが発
  生しているので、注意が必要。罹患するとマラリア原虫は体内の血液中に長期間宿り、日赤では献血
  できない。

 ○住血吸虫症

   アフリカ、南米、アジア等の川や湖等の淡水にすむ住血吸虫(ビルハルツ)は皮膚から体内に入っ
  て血流を通って肺に到達し、そこで成虫になる。成虫は血流に戻り、最終的なすみかである膀胱や腸
  の小静脈に行き、そこで何年も過ごす。成虫は腸や膀胱の壁に大量の卵を産み、その一部は血流に入
  って肝臓に到達する。これらの卵は3〜5年後に炎症反応を誘発し、腸、膀胱、肝臓の静脈を詰まら
  せる結果、潰瘍や局部の出血、瘢痕(はんこん)が生じる。亜熱帯地方では2億人以上が発病して苦
  しんでいるという。危険な場所では泳がない、生水を飲まないこと。

 ○デング熱

   デングウイルスを持った熱帯シマ蚊に刺されて発病する。

 ○マムシ

   噛まれてから6時間以内に血清を打てば回復の見込みあり、というので他の毒蛇の参考に。

 ○腸チフス

   予防接種あり。

 ○狂犬病

   犬以外にも猫、キツネ、アライグマからも感染することがある。コオモリから空気感染することが
  ある。世界では年5万人死亡。

 ○ジフテリア

   飛沫感染する。

 ○脱水症状時の対策

   激しい下痢等で脱水症状のときは、「1リッターの水に塩3g、砂糖40gを入れて沸騰させ、冷まし
  た水」が効果的。

 ○伝染病・感染症に関するホームページ

  o海外感染症情報---------------------------------http://www.forth.go.jp/ 

  o日本海外勤務者のための医療・衛生情報(=JOHAC)http://www.johac.rofuku.go.jp/

  oJICA/国際協力事業団------------------------http://www.jica.go.jp

  o渡航関係情報/外務省----------------------------http://www.mofa.go.jp/

  o国立感染症研究所感染症情報---------------------http://www.idsc.nih.go.jp

  o海外感染症情報/厚労省・成田空港検疫所----------http://www.narita-airport.or.jp/quarantine/

  o国際保健機関(WHO)-------------------------http://www.who.int/

  o子育てインフォ(海外予防接種)母子衛生研究会---http://www.mcfh.co.jp/world/

 ○車はバッグパッキングより衛生的には安全である。やりかた次第でほとんど自炊ができるので、大衆
  食堂や安宿等を利用する二輪車やバックパッカーに比べて肝炎や腸チフス等に罹患する率は低い。

 ○体力回復

   胃や排便等の調子がおかしくなったり、病気をしたときは慣れたものが一番。梅干、おかゆ、日本
  茶等、日頃から飲食し慣れたものが驚くほど体調を整えてくれる。

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